第5回 任せつつ、見守りつつ、現場を元気に!

働く人たちに元気がなければ、お客さまを元気にすることはできません。ソラストが目指すのは、「働きやすい」「続けやすい」環境です。その実現に向けて、制度面の充実はもちろん、現場レベルでもさまざまな取り組みが行われています。特に介護の世界では、業界全体で人材不足や離職率などの問題が深刻です。現場の責任者は、どんな思いで、どんなことに悩みながら、長く働ける魅力ある職場づくりを進めているのでしょうか? 千葉県松戸市にある介護事業所「ソラスト二十世紀が丘」で現場の責任者として働く西海 達矢(にしうみ たつや)からのメッセージです。

ソラスト二十世紀が丘
管理者
西海 達矢

現場の意見をそのまま実行に移せる環境づくりを実践

Q:はじめに、西海さんご自身のキャリアパスについてお聞かせください。

A:学生時代は小学校の先生を目指していました。介護の世界を知ったのは、教育実習のときです。福祉の現場研修をきっかけに興味を持ち、夏休みにヘルパー2級の資格を取得。ボランティアやアルバイトとして福祉施設で働くうちに、福祉の世界を目指そう!と決めました。

ソラスト入社後は、現場ワーカーとしての経験を積んで主任になり、2012年の「ソラスト二十世紀が丘」のオープンと同時に相談員に就任。その後ショートステイの所長を任され、現在はデイサービスの所長も兼務しています。

Q:今の職場の魅力をお伺いする前に、課題についてどう認識されていますか?

A:一番の課題は残業です。新規立ち上げ時にさまざまな地域の方を断らずにお引き受けしたこともあって、送迎に時間がかかってしまい、結果的に残業が増えています。誰だって残業ありきの仕事は楽しくありません。とはいえ、送迎エリアの縮小は難しく、車を増やせばドライバーや添乗員の人件費がかかり現実的ではないのです。

そこで、送迎ルートを見直したり、掃除のタイミングを変えたり、スタッフの「所長が送迎に出てくれれば一人分のワーカーさんの手が空く」という意見をきっかけに私自身も送迎に出ることにしたり、試行錯誤しながら少しずつ改善を重ねているところです。私が送迎に出始めた頃、スタッフから「時間に余裕ができた」と言われたときは、モチベーションにつながったことを実感できてうれしかったですね。

大事なのは、変わっていくことを実感できることだと思うのです。一つひとつは小さな修正でも、積み重なればじわじわと変化が見えてきます。ですから、どんなに小さなことでも、現場からの「こうしたい」「こうしてほしい」という意見には耳を傾け、私にできることがあれば、すぐ実行するようにしています。

Q:まさにそこが職場の魅力でしょうか?

A:はい。ただ、耳を傾けると言っても、スタッフの意見を事業所の現場のトップである私がダイレクトに吸い上げるのとは違います。どんなことも、まずはみんなで話し合い、現場に考えてもらうようにしています。なぜなら、実行するのは現場のスタッフだからです。私の意見と現場の意見が食い違うこともありますが、必要に応じて軌道修正するぐらいで、現場で決まったことに余計な口出しはしません。

現場の意見をそのまま実行に移せるような環境づくりをするなかで、「いろんなことができる職場だ」と感じてもらえれば、やる気につながるでしょうし、新しく入ったスタッフも自然と意見を言うようになります。みんな私が意見を押し付けないのを知っているので、勝手に話し合いが始まるんですよ。自由にやってもらいつつ、管理者としてしっかり見守っていくのが私の方針です。

実際、現場から出てきたアイデアが次々と形になっています。たとえば、デイサービスの一日をより魅力あるものにしようと、レクリエーション委員を作って新しいレクリエーションを企画したり、ボランティアを呼んでレクリエーションの時間を盛り上げたり。また、スタッフのスキルを底上げするために無資格未経験者の資格取得を支援したりしています。

介護サービスをご利用いただいている方々から、「外出レクリエーションの日にスポットで利用したい」「週2回を週3回にしたい」など、サービスを受ける回数を増やしたいというご要望が増えているのは、こうした地道な取り組みの成果ではないかと考えています。

納得いくまで話し合い、わからないことはまずやってみる

Q:現場に任せるという考え方は、ご自身のキャリアを通じて確立されたのですか?

A:そうですね。主任に就任した当初は、「自分の思いどおりにできる!」と思い込んでいて、「これをやりましょう」「あれをやりましょう」と指示するだけの人間でした。でも途中から何か違うな、と気づいたんです。職場の雰囲気が暗いというか、スタッフに覇気がないのです。みんなに話を聞いてみると、初めて「そのやり方は違うと思う」とか「その考えには反対でした」といった声が挙がってきました。

「じゃぁ、みんなならどう考えるの?」と聞くと、スタッフたちが思い思いに話し出したのです。「あ、これはいいな」と思った瞬間でした。そもそも意見が食い違っているところで自分の意見を押し通しても、いい結果につながるはずがありません。現場が自分たちで決めたことに対し、「どうぞやってください」と言うだけでみんなが楽しく前向きに動けるなら、そうしようと決めました。今はこのやり方で進めています。

もちろん、スタッフ間で摩擦が起きることもあります。たとえば真逆の意見がぶつかったときは、実際に両方のやり方を試してから、最終的にどうすべきかを議論させます。やってみないとわからないのに正解を決めつけ、片方のモチベーションがガタンと落ちてしまうほうが、組織にとってダメージは大きいと思うのです。

Q:ソラストは、医療も介護も保育も、助け合いの文化が根付いた職場を特徴とされています。それもまた、みんなが楽しく動ける要素の一つではないかと思いますが、介護の現場では、どのような場面で助け合いが行われているのでしょうか?

A:デイサービスひとつをとっても、お風呂担当、フィットネス担当、フロア担当といったように細かく分かれています。自分の仕事だけをしていると全体がうまく回りません。うまく回らないということは、すなわち、サービスを受けられる方々にとってつまらなくなっている、ということです。ここが一番の問題です。

過去に、スタッフから「担当者の間で協力関係がうまく築けていない」という問題提起がされたとき、私は「自分の仕事が終わったらそれでいいのかな?違うよね。じゃぁどうしたらいいと思う?」と議論のきっかけだけ作り、みんなでやり方を考えてもらいました。おかげで今は、早く仕事が終わったところが、終わっていないところに積極的にヘルプに入るようになっています。

それでも、曜日によっては介護度の重い方が多く、どうしても手が回らないことがあります。外部から見れば管理者も同じスタッフの一員ですから、「SOSを出してもらえれば、いつでもヘルプに入るよ」と伝えてあります。

Q:あくまでもサービスを受ける方々にとってどうあるべきか、という目線は大事ですよね。

A:ご利用いただく皆さまに「ここに来てもつまらない」と思われたら負けです。事業所としての大きな目標は、「また来たい!」と思っていただくこと。そして、「今日も一日ありがとうございました」ではなく、気軽に「またね!」と言い合える関係を作ること。私は帰られるみなさんのお顔がちょうど見える位置に座っているので、毎日「またね!」と言い続けています。これも職場の雰囲気づくりの一環です。

もちろん、お客さま対応という意識は根底にあるべきだと思いますが、臨機応変に相手の気分や温度感に合わせることも大切です。たとえば、友達口調で親しげに話しかけてくる人に対して、いつまでも敬語で返していたら、見えない壁ができて「つまらない」と思われてしまいます。帰りの車内でも楽しい会話を心がけるなど、スタッフには環境づくりの面でも頑張ってもらっています。

何年働いても飽きないのは、新しい自分に挑戦し続けられるから

Q:事業所間の横のつながりはあるのですか?

A:自分一人で考えていてもどうにもならないこともあります。そういうときは、ソラスト内でモデルケースとされている事業所に知恵を借りたり、似たような取り組みをしている事業所と意見交換したりします。同じ管理職として働く皆さんとは、よく連絡を取り合っていますよ。事業所ごとに事情が異なるので、できることとできないことがありますが、学ぶことは多いですね。

本社のディレクターとも密に連携しています。予算調整をはじめ、ボランティアを紹介してもらったり、自分自身の知見や社内の横のつながりだけでは乗り越えられない課題について解決策を話し合ったり。上下関係を意識させられることなく、親身になって相談に乗ってもらえるので、いろんな場面で助けられています。

Q:常に頼れるところがあるのは、心強いですね。それもまた、ソラストで働く魅力と言えるでしょうか。

A:そうですね。任せつつ、見守りつつ、何か問題があったら手を貸すという指導法は、自分が管理者として心がけていることでもありますが、ソラスト全体としても同じことが言えると思います。一人ひとりをきちんと見てくれているので、言われることにも素直に耳を傾けることができます。いろんな勉強ができて、いろんなチャレンジができて、いいタイミングでどんどんキャリアアップさせてもらえるので、ソラストで働いていると何年経っても飽きるということがありません。

Q:最後に、職場のスタッフに対する想いをお願いします。

A:日々感謝です。残業がなかなか減らせないなかでも一生懸命働いてくれていますし、事業所として求められる目標の達成に向けて、本当によく頑張ってくれています。何より、サービスをご利用いただく皆さまを楽しませてくれていることには、感謝の気持ちしかありません。これからも「またね!」を合い言葉に、「ソラスト二十世紀が丘」を"選ばれる事業所"にしていきたいと思っています。

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