ケアマネージャーの仕事内容や役割、給料などを詳しくご紹介!

介護や支援を必要とする高齢者やご家族の相談窓口となるのがケアマネージャーです。介護サービスを提供する上で中核を担う重要な職種であり、多くの人から頼りにされるやりがいのある仕事です。今回はケアマネージャーの仕事内容や役割から、給料まで詳しくご紹介します。

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

ケアマネージャーは正式名称を「介護支援専門員」、通称「ケアマネ」と呼ばれます。介護保険サービスを受ける場合、ケアマネージャーの存在は必要不可欠。介護サービスを提供するにあたり、要となる重要なポジションのうちの一つです。まずはケアマネージャーの役割やなり方、給料などの基本情報をご紹介します。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の役割

ケアマネージャーは、介護や支援を必要としている方が適切な介護サービスを受けられるようケアプランを作成したり、サービス事業者と連絡・調整を図ることが主な仕事内容です。介護保険サービスに関するスペシャリストとして、利用者さまやご家族の相談に乗りながら、必要なサービスを組み立てます。つまりサポートを必要としている方の相談窓口となり、要介護者や要支援者がより良い生活を送れるよう援助する役割を担います。

ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには

ケアマネージャーになるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格することが必須です。受験資格は、指定業務を5年以上かつ日数900日以上を満たすことで得られます。受験資格を満たすだけでも最低5年の年月が必要。また、合格率が低い点からケアマネージャーは難易度が高いといわれています。合格率が最も高いのは、平成10年度の第1回試験の44.1%。平成30年度が10.1%で最低値でした。合格率は高くて30〜40%台、低くて10%台と難易度が高いことがうかがえます。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の給料

介護労働安定センター「令和2年度 介護労働実態調査」によると、ケアマネージャーの給料は以下の通りです。

年収に換算すると316万548円、そして平均ボーナスである69万1,502円を上乗せした年収は385万2,050円です。ケアマネージャーは資格取得までの難易度が高いことからも、介護職の中では高い給料水準といえます。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容

ケアマネージャーの役割は、支援を必要としている方に適切な介護サービスを提供することです。介護相談のプロフェッショナルとして介護を必要とする方やご家族のニーズを汲み取り、必要な支援をマネジメントします。そのために行う仕事は多岐にわたるため、下記で具体的な仕事内容をみていきます。

利用者さまやご家族の相談業務

介護や支援に関する相談や問い合わせは、まずケアマネージャーにつながれます。相談内容や問い合わせ内容に応じて利用者さま・ご家族のもとに訪問し、面談を実施。相談業務では、利用者さまやご家族がどういった課題や悩み、ニーズを抱えているかを理解し、信頼関係を構築することが重要です。相談内容は介護保険サービスの域を超えることもありますが、その場合は適切な機関に繋げることもケアマネージャーの役割となっています。

ケアプランの作成・管理

ケアマネージャーのメインともいえる仕事内容は、ケアプランの作成・管理です。ケアプランに関わる一連の業務は、一般的な流れが決まっています。

利用者さまやご家族のニーズを汲み取り、どのような介護サービスをどういったスケジュールで提供するかを組み立てます。ケアプランは利用者さまが可能な限り自立した生活を送るための支援内容であり、利用者さまが達成可能な目標をもとにサービスを考えることが大切です。ケアプランを作成して終わりではなく、モニタリングから利用者さまの状況を定期的に把握し、サービスの調整も行います。

介護事業者との連絡・調整

利用者さまはケアプランに基づいて、各介護事業者からさまざまな介護サービスを受けます。ケアプランは利用者さまやご家族の状況によって、修正が必要になるケースも。そのため、ケアマネージャーは状況を判断し、介護事業者と情報共有や連携を図りながら、サービス内容を調整する必要があります。

給付管理

給付管理はケアプランに関連する業務の1つ。利用者さまが介護保険サービスを利用する上での支給限度額の確認や、自己負担額の算出を行います。また、介護保険サービスの実施状況や実績を確認し、国民健康保険団体連合会に給付管理票を送付することも。介護事業者が介護報酬を受け取るためにも必要な重要な業務であり、かつ介護事業者の不正請求を防止する役割も兼ねています。

要介護認定業務

要介護認定業務では、利用者さまの心身状態を確認し、自治体へ申請します。要介護認定は更新や状態によっては区分変更されることもあり、その際は書類作成もケアマネージャーが代行。介護保険サービスは、要介護認定度に応じて受けられるサービスが異なります。そのため、適切なサービスを受けるには、利用者さまが相当する要介護認定を受けていることが必要です。

施設ケアマネージャーと居宅ケアマネージャーの違い

実はケアマネージャーには「施設ケアマネージャー」と「居宅ケアマネージャー」の2種類があります。ここでは各ケアマネの違いもご紹介します。

職場・人員基準の違い

介護サービスは、主に施設介護と居宅介護に分かれています。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護などの施設に属するのが施設ケアマネージャー、居宅介護を専門とするのが居宅ケアマネージャーです。施設ケアマネージャーは「利用者100人につき1人」、居宅ケアマネージャーは「利用者35人につき1人」が人員基準であることから、担当件数は施設ケアマネージャーの方が多くなります。

仕事内容の違い

主な仕事内容は同じですが、中小規模の施設に属する施設ケアマネージャーは介護業務を兼任することもあります。一方、居宅ケアマネージャーは事務所に勤務するため、現場で介護業務を行うことはほとんどありません。

ケアプランの違い

施設ケアマネージャーは、基本的に施設内で提供できるサービスをもとにケアプランを作成します。一方で、居宅ケアマネージャーは外部機関からさまざまなサービスを選んでケアプランを作成するため、1件のケアプラン作成にかかる工数が多い点が特徴です。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の求人例からみる仕事内容

居宅介護支援事業所における、正社員ケアマネージャーの求人です。在宅介護を受けている利用者さまを支援するため、利用者さまの生活に密着したケアマネジメントが行います。日常生活に寄り添いながら、ケアマネージャーが作成したプランをもとにサービスを提供するやりがいの大きい仕事です。

ケアマネジメントがケアマネージャーの仕事内容!

ケアマネージャーは、利用者さまやご家族のニーズを汲み取り適切なサービスが受けられるよう調整役を担います。主な仕事内容はケアプランの作成をはじめ、相談業務や給付管理、介護事業者との連絡調整など多岐にわたります。利用者さまがより良い生活を実現できるように努める、やりがいの大きい仕事です。