社会福祉士の仕事内容は?主な働く場所や転職する方法をわかりやすく解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/03/18
社会福祉士の仕事内容にはどのようなものがあるのでしょうか。資格を取ってもどこで活かすことができるのか疑問に感じている方もいるかもしれません。ここでは、社会福祉士の仕事内容や転職する方法をご紹介します。また、社会福祉士の仕事についてよくある質問についてもお答えします。
目次
社会福祉士とは?主な仕事内容について
介護や福祉の分野での仕事について調べると「社会福祉士」という職業がよく目に留まるという方も多いでしょう。社会福祉士とはそもそもどのような資格、仕事なのでしょうか。
そもそも社会福祉士とは?
社会福祉士とは、介護や医療、福祉の分野で日常生活に困難を感じている方の相談に乗り解決へのサポートを行う仕事です。
児童、高齢者、障害者など、様々な人の多様な相談に乗ります。社会福祉全般の知識はもちろん、介護の基礎知識や介助技術、一般的な医学、心理学、法学など、幅広い分野に関わる知識が必要です。
社会福祉士は国家資格です。特定の学校や実務経験など、受験資格を得た人が国家試験を受験し、合格した後に名乗ることができます。受験資格を得るルートは複数あるので自分に最もあったルートを選ぶことが大切です。
社会福祉士の仕事は主に4つ
社会福祉士の主な仕事は、大きく次の4つにわけられます。
相談業務
面談や訪問、電話などを用いて日常生活に困難な人々の相談に乗り、解決策を福祉の知識を用いて提案、解決までをサポートします。
社会福祉士の仕事のなかで最も大きい業務といえるでしょう。勤務する事業所や組織により専門分野はあるものの、相談業務に携わることに違いはありません。
社会福祉士として仕事をするには知識だけではなく、コミュニケーション技術も要求されます。具体的な解決に向けては、福祉や医療、介護、法律など幅広い知識とともに、同時に相談しやすい関係性となるために信頼関係の構築も重要だからです。
関係機関との連絡・調整
援助やサポートを必要としている人が適切なサービスを受けられるように、行政機関や関係機関との連絡・調整を行うのも社会福祉士の仕事です。日頃から社会資源のネットワークを構築し、必要な支援を円滑に受けられるようにしておくことが求められます。
関係機関と聞くと、行政や福祉・介護に関わる施設やサービスなどをイメージしますが、実はもっと幅広く、地域住民や教育機関に働きかけることもあります。
福祉サービス提供管理
支援している対象者が福祉サービスを利用した場合は、福祉サービスが適切に行われているかの確認や福祉に関する法律関連の対応も社会福祉士の仕事です。福祉サービスを受ける対象者の管理を担うこともあります。
地域に必要と思われるサービスが不足している場合は行政に働きかけるなど、よりよい福祉環境つくりのための一端も担っています。
介護サービスの提供
介護施設や入居者の自立を目指す福祉施設で勤務する場合には介護スタッフとしての業務を行うケースがあります。
施設の利用者に対して食事や入浴などの身体介護の提供や掃除や洗濯などの生活援助を行うこともあります。
社会福祉士の資格を活かせる仕事場所
【社会福祉士が活躍する主な分野】 |
---|
介護・医療・福祉・行政 ほか |
社会福祉士が活躍する分野は、上記のように多岐に渡ります。特に介護・医療・福祉に関連する分野が主な活躍の場となることが多いでしょう。
社会福祉士であっても働く分野により、求められる仕事内容やスキルが異なります。それぞれの分野における、主な仕事場所・施設をここで解説します。
介護分野
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設には、相談援助に関わる職員の配置が義務付けられています。介護施設で相談業務を行う社会福祉士は、生活相談員あるいは支援相談員という職種に位置付けられます。利用者が介護サービスを利用する際の相談に乗り、契約、面談などを行います。
日本の介護サービスは圧倒的に高齢者の割合が多く、今後もその割合は増加傾向です。高齢者の介護施設や介護サービス利用者数の増加にともない、社会福祉士も高齢者の介護分野での活躍がますます増えるでしょう。
【介護分野の仕事場所の例】
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・ケアハウス
医療分野
総合病院などの病院には、医療ソーシャルワーカー(MSW)が配置されています。社会福祉士の資格を持っていると、この医療ソーシャルワーカーとして働くことができます。入院中や通院中の患者やその家族の相談に乗り、治療がスムーズに受けられるよう支援したり、退院後の生活に備えて関係機関との調整を行ったりするのが主な仕事です。
高齢者が入院した場合、退院後に介護施設やサービスを利用するケースも多く介護分野の社会福祉士との連携も大切な仕事のひとつです。
【医療分野の仕事場所の例】
・病院の生活相談室、地域連携室など
福祉分野
社会福祉士の相談対象者は、児童や障害者、ひとり親家庭、生活困窮者など幅広い世代の福祉を必要とする人々です。児童養護施設や母子生活支援施設、障害者支援施設などの福祉分野も活躍の場となります。福祉の対象者によって仕事場所は多岐にわたります。
【福祉分野の仕事場所の例】
・高齢者福祉施設(社会福祉協議会、行政機関の福祉事務所など)
・障害者福祉施設(知的障害者福祉施設、身体障害者福祉施設、精神障害者福祉施設など)
・児童・母子福祉(母子支援施設など)
行政分野
行政が管轄する施設において相談業務などを行います。
児童相談所では「児童福祉司」の立場として、対象の子どもやその保護者が適切な福祉につながれるようサポートします。地域住民やボランティアをコーディネートするなど、地域の福祉を進める役割もあります。
【行政分野の仕事場所の例】
・児童相談所
・県庁・市区役所
・地域包括支援センター
社会福祉士に転職するには?
社会福祉士として働くには、社会福祉士試験に合格して国家資格を取得することが必要です。国家試験を受けるための「受験資格」を満たすには主に3通りのルートがあります。
福祉系大学・短大を卒業する
4年制の福祉系大学などで指定科目を履修し、社会福祉士の国家試験を受けるルートです。2・3年制の福祉系短大の場合には、それぞれ実務経験1〜2年が必要です。
短期養成施設に通う
福祉系の4年制大学や短大にて基礎科目を履修後、6か月以上の短期養成施設を経て社会福祉士を目指すルートです。社会福祉主事養成機関に通う人や、児童福祉司の実務経験が4年以上ある人なども、このルートに当てはまります。
一般養成施設に通う
福祉系ではない一般の4年制大学や短期大学を卒業後に、社会福祉士を目指す場合はこのルートです。相談援助実務経験が4年以上ある場合もここに当てはまります。いずれも、1年以上の一般養成施設での勉強が必要になります。
社会福祉士の仕事についてQ&A<
社会福祉士の仕事の、よくある質問についてお答えします。
Q.社会福祉士の仕事はあまりないって本当?
A.介護職は、全体的に需要の高い仕事です。
介護職の慢性的な人手不足は今に始まったことではありませんが、これからはますます介護や福祉に関わる人材が貴重となります。社会福祉士に関しても同じことで、高齢者だけではなく子どもや障害者、ひとり親家庭、生活困窮者などの相談に乗る専門家としての仕事は決して無くなることはありません。
Q.社会福祉士は仕事をしながら目指せる?
A.仕事をしながら目指せます。
仕事をしながら勉強をすることは大変ですが、短期養成施設・一般養成施設の中には、通信制や夜間制課程などもあります。選ぶルートによっては、仕事をしながら目指すことも可能です。
Q.社会福祉士の仕事のやりがいは?
A.対象者が困っている状態が改善される場面に立ち会えます。
対象者が抱えている課題はすぐに解決できるものばかりではありません。しかし、職務経験を重ねるにつれ、心の状態や暮らしが良くなったと実感できる場面もでてきます。そうした時に大きなやりがいを感じることができるでしょう。
Q.社会福祉士の平均給料はいくら?
A.平均給料は、403万円です
令和2年度公益財団法人社会福祉振興・試験センターにおいて集計された「社会福祉・介護福祉・精神保健福祉士・就労状況調査結果報告書」によると、社会福祉士の平均給料は以下になっています。
全体 | 403万円 | |
---|---|---|
男女別平均 | 男性473万円 | 女性365万円 |
雇用形態別平均 | 正規社員300~400万円 | 契約社員200~300万円 パートタイム 103万円未満 |
社会福祉士の資格手当てをもらっている人は全体の約30%程度であり、介護福祉士の資格手当てよりもやや高額となるケースが多いです。
Q.社会福祉士はどんな人に向いている?
A.人の役に立ちたいという気持ちのある人が向いているといえます。
困っている人をサポートしたい、役に立ちたいという思いがあれば、社会福祉士への適正があると考えられます。コミュニケーション能力や事務処理能力などさまざまな能力が必要となるものの、根底に「役に立ちたい」という強い思いがあれば乗り越えられるでしょう。
社会福祉士の仕事についてQ&A
少子高齢化がますます深刻化する日本では、社会福祉士の活躍する場はたくさんあります。社会福祉士の知識を持っていると、関わる人々の役に立てると実感する場面はたくさんあります。
介護職からキャリアアップのために社会福祉士の取得を目指す人も少なくありません。福祉系大学以外の卒業者が社会福祉士を目指す道もたくさんあります。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。