【徹底解説】介護福祉士の国家試験の全て|合格率や難易度、試験概要も一緒にチェック!

笑顔の介護福祉士

介護福祉士の資格取得について、難易度や合格基準など詳しく知りたいと考えていませんか?介護福祉士の国家試験は年に1度、1月末ごろに行われます。合格者も多いため、きちんと対策をすれば国家資格の中では難易度が低いといわれています。しっかり準備をして臨むためにも、本記事で介護福祉士の国家試験について把握し、勉強する際のヒントとして活用してください。

介護福祉士の国家試験とは?

介護福祉士の国家試験

介護福祉士の国家試験は、「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律で定められた国家試験です。

受験料として15,300円の負担が必要で、五肢択一のマークシート方式による筆記と、受験資格を得るためのルートによっては実技試験があります。

介護福祉士の国家試験の概要を、第32回(2020年度)および第33回(2021年度)の内容を参考にまとめました。

試験概要 ●筆記試験:(11科目群)
(1)人間の尊厳と自立、介護の基本(2)人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術(3)社会の理解(4)生活支援技術(5)介護過程(6)発達と老化の理解(7)認知症の理解(8)障害の理解(9)こころとからだのしくみ(10)医療的ケア(11)総合問題

●実技試験:
介護等に関する専門的技能
合格率
(第32回)
69.9%
受験資格
(第33回)
(1) 介護福祉士養成施設(2年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方(注意1)
(2) 介護福祉士養成施設(1年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方(注意1)
(3) 3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)で、実務者研修を修了した方(注意3)
(4) 3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)で、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方(注意3)
(5) 福祉系高校を平成21年度以降に入学して、新カリキュラムを履修して卒業した方(注意1)
(6) 特例高校(高校:平成21~25、28~30年度・専攻科:平成21~25、28~31年度に入学)して、卒業した翌日後に9か月以上(従業期間9ヶ月以上、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)
(7) 福祉系高校を平成20年度以前に入学して、旧カリキュラムを履修して卒業した方
(8) 経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意4)

(注意1) 令和3年3月31日までに卒業する見込みの方を含みます。
(注意2) 令和3年3月31日までに従事する見込みの方を含みます。
(注意3) 令和3年3月31日までに修了する見込みの方を含みます。
(注意4) 介護等の業務については、令和3年3月31日までに従事する見込みの方を含みます。
試験時間
(第32回)
●午前の部:
10時00分~11時50分
※以下に該当する方は、試験時間が異なります。
・弱視等受験者:10時00分~12時25分
・点字等受験者:10時00分~12時45分
・EPA候補者:10時00分~12時45分

●午後の部:
13時45分~15時35分
※以下に該当する方は、試験時間が異なります。
・弱視等受験者:13時45分~16時10分
・点字等受験者:13時45分~16時30分
・EPA候補者13時45分~16時30分
日程 第34回試験(令和3年度・予定)
筆記試験…令和4年1月下旬
実技試験…令和4年3月上旬
受験会場 ●筆記試験(34試験地)
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

●実技試験(2試験地)
東京都、大阪府

 

介護福祉士の資格を取得することで、介護のスペシャリストとして活躍できるだけでなく、利用者や所属する職場からの信頼を得られます。

また、介護職におけるキャリアアップや待遇も良くなることが期待できます。

実技試験の変更について

第29回(2017年)から、それぞれのルートで定められた条件を満たした人は、介護福祉士の国家試験における実技試験が免除されるようになりました。

実務経験ルート 「介護福祉士実務者研修」の修了、または「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方の修了
実務経験ルート ・2008年度以前の福祉系高校入学者で旧カリキュラムでの卒業者のうち、「介護技術講習」を修了していない人
・特例高校等の2009年度以降入学者で介護等の実務経験が9ヵ月以上ある人のうち、「介護技術講習」を修了していない人
養成施設ルート 実技試験が免除
福祉系高校ルート 2009年度以降の入学者で新カリキュラムを受けている人実技試験が免除
経済連携協定(EPA)ルート 「介護技術講習」または「介護福祉士実務者研修」の修了

ただし、福祉士系高校ルートおよび経済連携協定(EPA)ルートの人で、以下の条件に当てはまる場合は実技試験が必須です。

福祉系高校ルート ・2008年度以前の福祉系高校入学者で旧カリキュラムでの卒業者のうち、「介護技術講習」を修了していない人
・特例高校等の2009年度以降入学者で介護等の実務経験が9ヵ月以上ある人のうち、「介護技術講習」を修了していない人
経済連携協定(EPA)ルート 「介護技術講習」または「介護福祉士実務者研修」を修了していない人

「介護福祉士実務者研修」の修了は、転職や就職で未経験から介護福祉士を目指す多くの人が通る研修です。

「介護福祉士実務者研修」に関する詳細は、「ソラジョブ介護」の別記事にて詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。

介護福祉士国家試験に合格するには?合格ライン・基準について

合格証書

今回は、すでに合格発表も終わった、第32回(2019年)を例に挙げていきます。介護福祉士国家試験は、筆記試験と実技試験合格基準が異なるのがポイントです。

筆記の合格基準

ア 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
イ アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。

[1]人間の尊厳と自立、介護の基本
[2]人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
[3]社会の理解
[4]生活支援技術
[5]介護過程
[6]発達と老化の理解
[7]認知症の理解
[8]障害の理解
[9]こころとからだのしくみ
[10]医療的ケア
[11]総合問題
(注意)配点は、1問1点の125点満点である。


筆記試験では、毎年定められる総得点の60%程度を合格基準とし、その年の問題の難易度によって合格基準の点数に補正がかかる仕組みです。

第32回では、125点満点のうち77点以上獲得した人が筆記試験合格者でした。つまり、第32回の筆記試験では、

・125点の60%である75点
・問題の難易度による2点のプラス補正

が行われています。

実技の合格基準

実技試験の合格基準は、現場を想定したシチュエーションから、介護の3原則である「安全・安楽」「個人の尊厳」「自立支援」を満たした適切な介護を行えるかをテストされます。

実技試験で見られているポイント
・利用者への挨拶ができているか
・利用者とのコミュニケーションはできているか
・利用者の健康状態を把握できているか
・利用者に事前の説明と承諾を得られているか
・利用者の自己決定を促す声かけができているか
・利用者の身だしなみの確認などができているか
・環境整備は適切であるか
・利用者の残存機能を活用できているか
・「車いすの操作」「体位変換」「移乗」などの介助は適切か
・利用者の安全の確保ができているか

時間制限も5分以内と定められており、時間内での適切な対応が見られる試験内容です。以下に、国家試験主催の公益財団法人社会福祉振興・試験センターが定める実技試験の合格基準を抜粋しました。

課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。


筆記試験と同じように、100点満点中60点を基準とし、その年ごとの実技試験の出題難易度によって点数が補正されます。

第32回では100点満点に対し、得点46.67点以上の人が合格者でした。つまり、13.33点のマイナス補正がかけられている形です。

介護福祉士の国家試験の難易度について

続いて、介護福祉士の国家試験における、近々の合格率や合格者数を見てみましょう。

実施時期 合格率(%) 受験者数(人) 合格者数(人)
第32回(2020年1月26日) 69.9 84,032 58,745
第31回(2018年1月28日) 73.7 94,610 69,736
第30回(2019年1月27日) 70.8 92,654 65,574
第29回(2017年1月29日) 72.1 76,323 55,031
第28回(2016年1月24日) 57.9 152,573 88,300

国家資格には医者や士業などのように合格率10%以下のものもある中、介護福祉士の合格率は50~70%と高めです。

そのため、きちんと対策しておけば、国家資格の中では難易度が低い国家試験といえます。

合格基準は毎年変化

筆記試験も実技試験も、合格基準店から難易度によって点数補正が行われる変動制のため、合格基準は毎年変化しています。

毎年補正される点数は変動するため、80点前後を目指して試験に取り組むのが良いでしょう。

介護福祉士の受験資格取得までのルート変更に注意

お年寄りと介護福祉士

これまで、介護福祉士を目指すために様々なルートが用意されていましたが、2016年からは介護福祉士の国家試験を受けるまでには4つのルートのいずれかを通過する必要があります。

・養成施設ルート
・福祉系高校ルート
・実務経験ルート
・EPAルート

社会人から目指す場合、毎年90%ほどの人たちが働きながら介護福祉士を目指す「実務経験ルート」を経て国家試験に臨んでいます。

介護福祉士の国家試験受験資格を得るためには介護の現場勤務が、3年以上かつ従事日数が540日以上必要なだけでなく、「介護福祉士実務者研修」の修了も必須です。

次に多い「養成施設ルート」は、学歴によって1~2年の勉強期間が必要ですし、費用が一番かかります。

社会人から養成施設ルートを目指す場合は、授業の時間も限られることがあるため、念頭に置きましょう。

このように、ルートによって受験資格が異なるため、ルート変更する際は注意が必要です。

介護福祉士の国家試験突破の鍵

介護福祉士は国家試験であるため、しっかりとした試験対策をすることをおすすめします。変動する合格点数を加味したうえで、万全の試験対策をしたうえで本番に臨みましょう。

適切な問題集選びは大事!過去問も有効活用しながら勉強する

介護福祉士の国家試験対策で使う問題集は、解説がしっかりしているものを選ぶのがおすすすめです。

また、試験主催の公益財団法人社会福祉振興・試験センターの公式ホームページには過去問があります。問題出題傾向を探るために活用しましょう。

介護福祉士になるまでの計画をしっかり立てて、定期的に進捗を確認する

未経験から介護福祉士の国家試験受験資格を得るまでには、ルートによりますが1~3年かかります。

介護福祉士を目指すと決めた場合は、国家試験受験資格を得るまでの計画やスケジュール管理も大切です。

計画を立てて実行するだけでなく、現在の自分の状況と照らし合わせた改善点を見つけるといった、計画やスケジュールの振り返りも忘れないようにしましょう。

働きながらの独学では全く進まない場合はスクールや通信講座を活用し、学費が工面できない場合は実務経験を積みながら介護福祉士を目指すなど、自分に合った道が見えてくるはずです。

すでに受験資格がある場合は、筆記試験のカテゴリが膨大であるため、勉強計画だけでなく、具体的な対策も必要となる場合があります。

自分の得手不得手もしっかり把握したうえで計画的に勉強することこそ、合格への近道です。

福祉系高校ルートやEPAルートでは実技試験対策も

・福祉系高校ルート
・EPAルート

の中で、以下に当てはまる人は実技試験対策も忘れないようにしましょう。

福祉系高校ルート ・2008年度以前の福祉系高校入学者で旧カリキュラムでの卒業者のうち、「介護技術講習」を修了していない人
・特例高校等の2009年度以降入学者で介護等の実務経験が9ヵ月以上ある人のうち、「介護技術講習」を修了していない人
経済連携協定(EPA)ルート 「介護技術講習」または「介護福祉士実務者研修」を修了していない人

ひとりひとりに合った適切な介護ができるかどうかが重要ですで、家族や友人など、実際の人に実技の練習に付き合ってもらうのがおすすめです。

また、実際の実技試験では、文章を読んで適切な介護を実施できるかを見ています。文章の理解力を鍛えたり実際の実技試験をシュミレーションしたりすると良いでしょう。

試験当日は、介護者にふさわしい動きやすい服装で向かうことも忘れてはいけません。

介護福祉士への道のりを理解し、資格取得を目指しましょう!

介護福祉士の国家試験は、合格基準を押さえたうえで、長期的な計画を立てて試験対策することをおすすめします。

介護福祉士の国家試験に合格することで、介護業務の専門技術だけでなく、サービス利用者の心身の状況に応じて的確な対応ができると判断され、サービス利用者や職場の人からも信頼を得られるでしょう。

介護福祉士を目指すルートごとに国家試験の受験資格も異なるため、自分の状況や計画に合った方法で介護福祉士を目指してみてはいかがでしょうか。