未経験から介護福祉士になるには?社会人からのなり方についても解説

高齢者と介護福祉士

介護の現場で介護のプロフェッショナルだけでなく、チームをまとめる存在である介護福祉士になるには、国家資格に合格しなければいけません。しかし、受験ルートを押さえておけば、未経験者でも介護福祉士になるチャンスを得られます。そこでこの記事では、未経験者が介護福祉士になるにはどうしたらいいかを中心にご紹介します。

未経験から介護福祉士になる時のキャリアパス

介護福祉士と外出

未経験から介護福祉士を目指す場合、どのような流れをとるか気になるのではないでしょうか。

未経験者が介護福祉士になるためは、おもに以下3つの条件を満たさなければいけません。

1.介護職員初任者研修
2.介護福祉士実務者研修
3.介護福祉士国家試験

介護職員初任者研修

「介護職員初任者研修」とは、介護職未経験者や無資格の方が最初に受ける研修です。カリキュラムは130時間ほどで、研修期間は最短で1カ月かかります。

介護に関する知識がなくてもチャレンジできるため、介護福祉士を目指そうとしている場合でもそうでない場合でも、まずは研修に参加してみてはいかがでしょうか。

介護福祉士実務者研修

次に通過しなければいけないのが「介護福祉実務者研修」です。「介護福祉士実務者研修」も介護職未経験・無資格者でも受講できる研修で、450時間にわたるカリキュラムの受講が必須となります。

後述しますが、「介護福祉士実務者研修」は介護福祉士の国家試験を受験するための条件のひとつです。

介護福祉士を目指そうと検討している場合は、必ず受講しなければいけません。

介護福祉士国家試験

介護福祉士国家試験は、介護職の実務経験3年以上経験し、「介護福祉士実務者研修」を修了していないと受験できない国家試験です。

介護福祉士の資格を取得することで、介護職のプロとしてキャリアアップも実現できるでしょう。

また、介護福祉士の資格を取得することにより、介護職におけるキャリアパスで最上位の「認定介護福祉士」の受験資格を取得にもつながります。

介護福祉士になるための具体的なルート4つ

介護福祉士になるためには、具体的に4つのルートが用意されています。

・養成施設ルート
・福祉系高校ルート
・実務経験ル―ト
・経済連携協定ルート

また、介護福祉士になるためには、介護福祉士の国家試験をクリアしなければいけませんが、4つのルートごとに国家試験の受験資格も変わるため、注意が必要です。

介護福祉士を目指す際の4つのルートについて詳しく紹介します。自分にぴったりのルート探しの指標にしてみてください。

養成施設ルート

養成施設ルートは、養成施設と呼ばれる指定を受けた大学・短大・専門学校などの介護福祉士養成の学科やコースに通い、介護福祉士を目指すルートです。

未経験者が介護福祉士の受験資格を得るための最短ルートでもあり、王道コースとして知られています。養成施設ルートでは、養成施設ごとに設けられている規定の年数を学科やコースを修了すれば、介護福祉士の国家試験資格を手に入れられます。

さらに、介護福祉士の国家試験科目の中にある実技試験が免除されるため、筆記試験対策に集中できるメリットがあります。養成施設には、高校や大学を卒業した後に入学できるため、金銭面や学校に通う時間といった余裕があればおすすめのルートです。

福祉系高校ルート

福祉系高校ルートは、高校進学時に福祉系の高等学校を進路に選び、高校を卒業すれば介護福祉士の受験資格を手に入れられる仕組みです。

養成施設ルートと同じく、介護福祉士の国家試験における実技試験は免除されるため、筆記試験さえ合格すれば介護福祉士の資格が得られます。

特例高等学校を卒業の場合は、卒業後に9か月以上の実務経験が必要などといったルールがありますが、高校の進学の段階で介護福祉士を目指そうとする場合はおすすめといえます。

実務経験ルート

実務経験ルートは、養成施設などの学校に通わずとも働きながら介護福祉士の資格を満たせるため、社会人やキャリアチェンジ希望者の王道ルートです。

実務経験ルートで介護福祉士の資格取得を目指す場合は、以下の条件を満たす必要があります。

・介護士などの介護の実務経験を3年以上(=1095日以上)積むかつ540日以上の従事経験
・介護福祉士実務者研修を修了する

養成施設ルートや福祉系高校ルートと同じく、実務経験ルートでも介護福祉士の国家試験において実技試験は免除されます。

実際に介護の現場で働きながら、介護福祉士を目指したい社会人にはおすすめのルートです。

経済連携協定ルート

通称「EPAルート」と呼ばれる経済連携協定ルートは、日本とEPA経済連携協定を結んだインドネシア、フィリピン、ベトナム出身の人が対象です。

自国での候補要件等クリアした後に、日本の介護施設で研修や経験を積みながら、日本の介護福祉士資格の取得を目指します。

日本で仕事をしますから、いずれの国でも日本語能力試験で一定のレベルに合格する必要があるため、難易度が高いといえます。

介護福祉士を目指す上で注意すること

介護福祉士の注意点

未経験者でもルートをしっかり選んで真摯に取り組んでいけば、介護福祉士を目指すことも可能です。

未経験者が介護福祉士を目指す場合に注意しておきたいことが主に3つあります。介護福祉士に興味がある人は、あらかじめ目を通しておきましょう。

2016年以降は国家試験の合格が必須に

2016年以降の法改正により、前述の4ルートどれを選択しても、介護福祉士の国家試験に合格しなければ介護福祉士になれません。

養成施設ルートの場合、法が改正される前は養成施設を卒業すれば自動的に介護福祉士の資格が取れました。

介護福祉士に関する資格については、資格そのものだけでなく国家試験自体の改正も多いという特徴があります。

受験を考えている場合は、日ごろから公式ホームページをチェックして改正がされていないかどうかをしっかり確認すると良いでしょう。

実務経験ルートでは「介護福祉士実務者研修」が必須

実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合は「介護福祉士実務者研修」の受講が第29回試験(2017年)から必須となりました。

迫りくる高齢化社会の中、これまで以上に高い水準での介護サービスを安定的に提供しなければならないという使命が介護業界に求められているという背景があります。

実務経験ルートで介護福祉士を目指すためには、それなりの時間がかかるのを念頭に置いて受験計画を立てるのが理想です。

時間がかかるとはいえ、介護福祉士国家試験の受験者は実務経験ルートで目指す人が毎年90%と大半を占めているため、仲間が多いと思えば安心できるでしょう。

専門学校に通う場合は多額の費用が必要

養成施設ルートの中には専門学校もあります。介護福祉士を目指す最短ルートではあるものの、実務経験ルートと異なり学費がかかることを念頭に置かなければいけません。

以下に、介護福祉士を目指す人が必要な費用の目安をまとめました。

実務経験ルート 無資格者 100,000円
介護職員初任者研修
ホームヘルパー2級
82,000円
介護職員基礎研修 30,000円
養成施設ルート 100~200万円
福祉系高校ルート 通常の高校を卒業するまでの学費と同程度の学費

実務経験ルートの中でも、資格を持っているかどうかで費用が大きく変わりますし、養成施設ルートでは高額な学費が発生します。養成施設ルートで最短を目指そうとしている人は注意が必要です。

社会人で働きながら介護福祉士になるには?

働きながら資格取得

社会人で働きながら介護の仕事や介護福祉士へキャリアチェンジを目指す場合、どのような方法があるのでしょうか。

介護職に転職

実務経験ルートを念頭に置いたうえで介護職へ転職し、実務経験を積みながら介護福祉士を目指す方法が、最も多く選ばれているルートです。

現在、介護福祉士を目指そうと考えているということは、あなたのキャリアを介護職に変更してみたいという考えがあるからではないでしょうか。介護の仕事自体は、未経験・無資格未でもスタート可能です。更に、実務経験を3年以上積むことで、介護の仕事に慣れたころに介護福祉士の受験資格を得られます。
いきなり介護職への転職は気が引けるという場合は、介護職の世界を知るために「介護職員初任者研修」を受けてみるのはいかがでしょうか。

「介護職員初任者研修」は、最短で1カ月あれば受講できるだけでなく、介護職に向いているかどうかもわかるため、迷っている場合はおすすめです。

スクールに通う

介護職への転職希望が強く金銭面に余裕がある人は、養成施設ルートを目指すためにスクールに通う方法もあります。介護福祉士を目指す最短ルートというだけでなく、卒業すれば介護福祉士の国家試験資格を得られるため、効率よく介護福祉士を目指せます。

ただし、費用面だけでなく夜間学校であったり土日のみの通学だったりと授業日数が限られるため、通常よりも時間がかかることを念頭におかなければいけません。

介護福祉士には働きながらもなれる!ライフスタイルに合わせてキャリアアップを目指しましょう

未経験から介護福祉士になるためには、定められた研修の受講だけでなく、ルートによって異なる受験資格を満たしてからの受験となります。

そのため、選択したルートによっては長期間に渡る勉強と実務経験が必要です。費用を抑えて働きながら介護福祉士を目指したい人は実務経験ルート、費用や時間に余裕がある場合は養成施設ルートがおすすめします。

また、未経験者でも受講できる「介護職員初任者研修」に参加し、介護職の向き不向きを確かめてからルートを決めるという方法もあります。あなたの状況に併せて、介護福祉士を目指す最適なルートを目指しましょう。