ホームヘルパー(訪問介護員)とは?資格の取り方や仕事内容、働き方を徹底解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/05/17
訪問介護員、通称「ホームヘルパー」は、ご利用者さまの自宅に出向いて介護サービスを提供する介護職員です。需要が高まっているだけでなく、介護の多様化が進んでいる今日では、在宅介護を希望しているご利用者さまも多くいらっしゃいます。今回はホームヘルパーについて、仕事内容や資格の取り方、働き方などさまざまな観点から詳しく解説します。
目次
ホームヘルパー(訪問介護員)とは
ホームヘルパーの正式名称は、訪問介護員といいます。主に身体介護や支援が必要なご利用者さまの自宅に訪問し、介護サービスを提供し、食事や排せつ、入浴などの身体介助のほか、掃除や洗濯、炊飯などの家事なども行います。現場では通称のホームヘルパーをさらに略して、「ヘルパー」と呼ばれることが多いです。
ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容
ホームヘルパーの役割は、身体介護や支援の必要な方が、できる限り自宅で日常生活を送れるようサポートすることです。仕事内容はご利用者さまの要介護度や要支援度によって異なりますが、大きく分けて以下3つの仕事を行います。
身体介護
食事、排せつ、入浴介助/体位変換/移動、移乗、外出介助/服薬管理/着替えなど、身支度の介助/起床、就寝介助/見守り援助 など
ご利用者さまの体に直接触れるサポートは、身体介護として扱われます。身体介護は基本的に有資格者のみ対応できるものであり、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格がなければできません。 また単なる介助だけでなく、自立支援や重度化防止のためのサポートも行います。身体介護は、ご利用者さまの身体状況によって、どこまで対応するかが異なる点が特徴です。
生活援助
掃除/洗濯/炊飯、配膳/ベッドメイキング/部屋の片付けや環境整備/買い物/薬の受け取り など
生活援助は、身体介護には含まれない日常生活のサポートです。基本的には、家事の援助が中心となります。援助範囲については介護保険法で制限されており、あくまで日常生活に必要なことだけに対応します。
通院介助
通院の付き添い/乗降介助/医療機関や行政機関への送迎/手続きのサポート など
医療機関や行政機関に行く際の付き添いに関連する、全般のサポートが通院介助です。医療機関への付き添いの場合、介護保険法の決まりで、ホームヘルパーは入り口までの付き添いとなります。また送迎ではホームヘルパー自身が車を運転するケースもあるため、就業にあたり自動車運転免許が必要な事業所もあります。
ホームヘルパー(訪問介護員)の資格
身体介護業務が必須となるホームヘルパーは、働くために資格取得する必要があります。ここではホームヘルパーに必要な、3つの介護資格について詳しく解説します。
介護職員初任者研修
旧ホームヘルパー2級に相当するのが、介護職員初任者研修です。この資格は介護職の入門資格に位置付けられ、かつ介護のファーストキャリアとなる資格です。資格取得にあたり要件はなく、介護業界未経験の方でも資格が取得できます。家族の介護に役立てるために資格を取得する人もいるほどで、介護の基礎に特化した知識・技術の習得が可能です。計130時間の講座と実技のカリキュラムを修了後、筆記試験に合格することで資格が付与されます。
介護職員実務者研修
介護職員初任者研修の上位に位置する資格であり、旧ホームヘルパー1級に相当します。介護職員初任者研修よりも、より幅広い知識・技術が習得できます。また介護福祉士へのキャリアアップを目指す場合に、取得が必須となる資格です。
計450時間のカリキュラム修了が資格取得の必須条件であり、スクールによっては修了試験を設けている場合もあります。
介護福祉士国家資格
介護資格の中で、唯一の国家資格となるのが介護福祉士です。基本的かつ実践的な介護技術のほか、医療的ケアの知識・技術も習得できます。国家資格であるため、社会的な信頼も厚く、介護のプロとして職務が全うできます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の働き方
在宅介護サービスを提供するホームヘルパーは、主に以下3つの働き方があります。
直接雇用
一般的なのは、正社員やパートとして訪問介護事業所に直属する働き方です。訪問介護事業所が抱えるご利用者さまの自宅に訪問し、介護サービスを提供します。
登録ヘルパー
登録ヘルパーは、訪問介護特有の働き方です。訪問介護事業所にヘルパー登録し、勤務日数や勤務時間の調整の元、ご利用者さまの自宅に訪問します。日給で何件かの依頼を掛け持ちする働き方もあれば、正社員と同様に常勤として働くスタイルもあります。
派遣ヘルパー
派遣ヘルパーは、雇用元が訪問介護事業所ではなく、派遣会社となる点が大きな特徴です。派遣会社にヘルパーとして登録することで、訪問介護事業所に派遣されます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の魅力
施設勤務が多い介護職ですが、在宅介護サービスを提供するホームヘルパーにはどのような魅力があるのでしょうか。ここでは、ホームヘルパーの魅力をご紹介します。
ご利用者さま1人ひとりに寄り添った個別ケアができる
在宅介護であるため、ご利用者さま1人ひとりに寄り添った個別ケアできるのは、ホームヘルパー最大の魅力です。ホームヘルパーの役割は、ご利用者さまが快適にいきいきと日常生活が送れるようサポートすることです。暮らしに密着したサービス提供となるため、その人の人生や生活に寄り添う大きな使命感とやりがいの中、働くことができます。
働き方の自由度が高い
雇用形態や働き方が多様であるホームヘルパーは、それだけ自由度が高い点も魅力の1つです。介護職はシフト制の不規則な働き方が多いイメージですが、ホームヘルパーは比較的ライフスタイルに合った働き方が実現しやすいといえます。子育てとの両立のために日中の短時間のみ働きたい、夜勤を中心にして効率的に稼ぎたいなど、目的に応じてさまざまな働き方ができます。
キャリアアップを目指せる
ホームヘルパーになるにあたり、介護職員初任者研修以上の資格取得が必須です。無資格でも働ける介護施設が多い中、ホームヘルパーは前提として資格必須であるため、将来的なキャリアアップが目指しやすいといえます。ホームヘルパーとして実績を積み、上位資格を目指すことで、キャリアだけでなくスキルアップも目指せます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の注意点
ここでは、ホームヘルパーに関する注意点もお伝えします。
訪問介護と訪問入浴は異なる
介護サービスには、訪問介護と類似した訪問入浴があります。両者はそれぞれ独立したサービスであり、訪問入浴は入浴介助に特化したサービスです。身体介助の中でも負担とリスクが大きく、かつ自力で困難な方も多い入浴は、独立した介護サービスとなっています。
訪問入浴は介護スタッフ2人、看護師1人の体制で入浴介助に対応します。看護師はバイタルチェックなどを担当し、介護スタッフが入浴介助にあたります。
利用者本人の生活に支障がないことは行わない
ご利用者さまの自宅でのサービス提供となるため、どこまで対応すべきかの線引きが曖昧になりがちです。しかしこの点は介護保険法で明確に制限されており、基本的にご利用者さま本人の生活に支障がないことは行いません。またご利用者さま以外の人のために行うこと、日常生活に必要な家事から逸脱することへの援助も対応することはできません。
わかりやすい例でいえば、趣味や娯楽のための外出付き添い、庭の手入れやご利用者さま以外の食事用意は、ホームヘルパーの対応範囲外です。
ホームヘルパーは在宅介護のプロフェッショナル
ホームヘルパーは、介護職員初任者研修以上の資格が必須の、在宅介護のプロフェッショナルです。ご利用者さまの自宅に訪問し、生活に密着した介護サービスを提供します。
ご利用者さまに寄り添い、かつ自由度の高い働き方をしたい場合には、ホームヘルパーがおすすめです。ソラストでは、ホームヘルパーの求人も多数掲載しているため、ぜひ参考にしてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。