全国で3145介護求人を掲載
ソラジョブ介護の求人・転職や派遣募集 - ソラジョブ介護

認知症の人にやってはいけない6つのこと-接し方、ケース別の対応を解説

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/12/22

公開日:2023/02/10

認知症の方への対応は難しく、常識では理解できない行為に苛立ってしまうことも多いでしょう。しかし、ネガティブな感情をみせることで症状を悪化させてしまうこともあります。双方が穏やかに過ごせるよう、認知症の人にやってはいけないことをしっかりと押さえていきましょう。

認知症の人にやってはいけない6つのこと

・失敗をとがめる
・否定的な言葉を使う
・強要する
・子ども扱いする
・急かす
・行動を制限する

「本人は認知症であることの自覚がない」というイメージは大きな間違い。実際は、誰よりも不安で苦しんでいるのは本人です。理解力は落ちていますが、感情面はとても繊細。感情面でのストレスが症状を悪化させてしまうこともあります。その点を踏まえ、認知症の人にやってはいけない6つのことを押さえていきましょう。

失敗をとがめる

認知症が進むと、日常生活で当たり前にしていたはずの簡単なことができなくなっていきます。また、記憶力が低下し、直前のことを忘れることも多くなります。その際に失敗をとがめたり、責めたりするのは厳禁です。なぜなら、本人にとっては、正しいと思ってやったことだから。認知症が進行しても、本人の恥ずかしいという気持ちやプライドがなくなるわけではありません。本人の視点や気持ちを踏まえ、失敗をとがめたり、責めたりする行動は控えましょう。

否定的な言葉を使う

認知症の人を否定するような言葉を使うのもNG。認知症の二次的症状である暴言、妄想などは理解しがたく対応も難しいです。ただ、本人は事実だと感じているため、否定されてもなぜ否定してくるのか理解できません。また、自分の言葉や行動を否定され「誰も理解してくれない」と、孤独感を募らせます。ストレスから自然と否定的な言葉が出てしまいそうになるかもしれませんが、まずは言葉を発する前に、その言葉が相手を否定するものでないかを考えることが大切です。

強要する

「言うことを聞いて」など何かを強要することは、認知症の人にとって大きなストレスです。高圧的な態度で接せられることで抱いたネガティブな感情は、たとえその原因となる事実関係が理解できなかったとしても、本人に残り続けます。この状態が続いてしまうと、本人が心を閉ざしてしまい、たとえ家族であろうと信頼関係が崩れてしまうことも。認知症の人には、説得しようとするのではなく、共感して理解しようとするスタンスが大切です。

子ども扱いする

当たり前のことができなくなってしまったとしても、認知症の人に対して、子ども扱いはしてはいけません。認知症であっても、当然プライドはあります。子ども扱いされるとプライドが傷つくため、本人に強いストレスを与えてしまうのです。相手がどんな行動をしようとも、大人であることには変わりありません。その前提で接することが大切です。

急かす

認知症の人は食事やトイレなど、日常生活のあらゆる行動に時間がかかってしまうこともあります。時間がかかってイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、そこで急かしてはいけません。認知症の人を急かしても本人の行動が早くなるわけではなく、むしろパニックに陥ってしまいます。

行動を制限する

「どうせできないから」「何かあると困るから」と、「できない」レッテル貼り付けて行動を制限するのもやってはいけないことです。認知症になったからといってなにもできない訳ではありません。よかれと思って代わりにやりすぎてしまうことで、役割を取り上げられたと本人に感じさせ、孤独感を深めてしまう可能性があります。

認知症の人と接するときに大切な5つのこと

・認知症の人を動揺させない
・先回りして介助しすぎない
・認知症の人の現状やペースに合わせる
・認知症の人を理解して受け入れる
・信頼関係を築く

認知症の人への接し方としては、“3つの「ない」(「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」)“を心得て、”7つの対応のポイント“を意識するというのが有名です。ここでは大切なことを5つとし、7つの対応ポイントを絡めつつ解説します。

認知症の人を動揺させない

認知症の人は事実関係を把握しがたいため、通常ではそうならない場合でも、驚いたり恐怖心を抱いたりして、パニックになってしまうことがあります。そのため、動揺させないよう出来る限りやさしい対応を心がけます。例えば、認知症の人に話しかける時は、彼らの視野に入ってから声をかけたり、複数人ではなく1人で対応したりするとよいでしょう。

先回りして介助しすぎない

認知症の人は動作が遅くなっても、手順が分からなくなっても何もできないというわけではありません。そのため、「失敗してしまうかもしれない」「できない」と決めつけて、介助しすぎてしまうのは良くありません。本人に恥ずかしさや孤独感を感じさせるなど、かえってストレスを与えてしまうからです。今できることを少しずつ、本人のペースでやってもらうことが、その人らしさを活かすこと、症状の悪化を遅くすることにつながります。

認知症の人のペースに合わせる

認知症の人はさまざまな行動に時間がかかってしまう傾向にありますが、自分のペースを乱されることを嫌います。また、こちらからの行動も、ゆっくりと行わないと理解できない場合も多いです。例えば、話す際は穏やかに、はっきりと話すよう心がけましょう。ペースを遅くすることでこちらがイライラすると、その焦りや怒りが認知症の人にも伝わってしまいます。その結果、その恥ずかしさや不甲斐なさからふさぎ込んでしまったり、症状の悪化につながったりする可能性も。こちらが余裕を持って、相手のペースに合わせて行動してあげることが大切です。

相手を理解して受け入れる

認知症の人はこちらの常識では理解しがたい発言や行動をとることがあります。しかし、それらについても、本人の見えている世界では説明のつくものである可能性も。あるいは、そうした発言・行動が恥ずかしさや不安、迷惑をかけたくないという思いから来ているということもあります。認知症の方の世界を想像し、その行動をとった理由をいくつか想像しながら関わることが大切です。そうした歩み寄りを続けていくことで、本人たちの世界が分かるようになり、混乱せず穏やかに接することができるようになります。

信頼関係を築く

認知症になった人は、「かっこ悪いところを見せたくない」「迷惑になりたくない」と、相手に助けを求めることに抵抗を覚えます。それは、たとえ家族であっても。そうして認知症の進行を見過ごしていると、いつしか症状が悪化してしまいます。そのため、出来る限り自然に本人に歩み寄り、共感して受け入れる姿勢をみせることが大切です。
また、そうした信頼関係のない人が対応すると、緊張や動揺からストレスを感じさせてしまう可能性があります。対応する人は、普段から本人とリラックスできる信頼関係を築いておくことが大切です。認知症の人は、自分を理解して受け入れてくれる人を頼りにします。「この人が近くにいてくれれば、認知症は怖くない」と安心できる関係性を気づくことが結果として認知症の進行を遅らせます。

ケース別に見る認知症の対応方法

ここでは認知症の人にやってはいけないことも例に、ケース別に認知症への対応方法をみていきます。

何度も同じ話を繰り返す

何度も同じ話を繰り返すのは、以前その話をした事実を忘れてしまっているからです。何度も同じ話をされているからと雑な対応をしたり、「何度も同じ話をしないで」と責めたりしても、本人にはその理由が理解できない上に、自尊心が傷つけてしまいます。この場合は何度言われても怒らずに、都度丁寧に対応することが大切。それでも頻度が多い場合には、別のことに関心を向けてあげることがポイントです。

トイレを失敗してしまう

トイレを失敗してしまうことは本人もショックであり、プライドが傷ついています。そのことを考慮し、さらにプライドを傷つけることがないよう配慮しましょう。汚れた下着を隠した場合は、隠したこと自体を忘れていることも多いため、黙って片付けておきましょう。失敗しないような工夫として、トイレのドアにトイレと分かるよう張り紙をする、トイレまでの道順が分かりやすくなるようポイントポイントで目印をつける、電気をつけておくなども効果的です。

泥棒呼ばわりする

「ものが盗まれた」と、介護者を泥棒呼ばわりするケースもよくみられます。疑われるのは普段一番介護をしている方であることも多く、介護者が強いショックや怒りを感じるのも当然です。しかし、本人は片づけたことや片づけた場所を忘れてしまい、パニックになっているため正常な判断が出来ずにいるのです。そこで、怒ったりしても盗んだことがばれたから怒っていると思われてしまったり、代わりに見つけてあげたとしても盗んだからすぐ見つけられたんだと思われてしまう可能性があります。
ここで大事なのは、「それは大変だね」と盗まれたと思う気持ちに共感してあげること。そのうえで、本人が見つけ出せるように一緒に探してあげ、見つかったら一緒に喜ぶとよいでしょう。また、話をよく聞いてあげたり、他のことへ関心を向けてあげたりするのも効果的です。

妄想や作り話をする

妄想や作り話でも、本人は真実だと思っています。例えば、幻視も認知症に関連した症状の1つですが、本人はそこにあると信じています。そのため、そこには何もないなどと否定すれば、自分のことを馬鹿にしているのだとネガティブな感情を抱き、より孤独感を深めてしまいます。まずは話をしっかりと聞いてあげ、その内容に対して肯定的な返答をしてあげましょう。例えば、知らない人がいると言ったら、さっき近所の○○さんが来ていたよと話を簡単に合わせてあげましょう。

認知症の人にやってはいけないことを押さえて、寄り添った対応をしよう!

認知症にできることは症状の悪化を防ぐことです。精神的なストレスが症状進行につながるため、認知症の人に対応する際にやってはいけないことをしっかりと押さえ対応することが重要です。あわせて接し方のポイントやケース別の対応方法も頭に入れて、優しく自然体で認知症と向き合いましょう。

新着介護 求人/転職情報一覧

介護の仕事についてもっと知りたいなら

こちらから>

この記事は役に立ちましたか?

このコラムをシェアする

前のコラムへ

ノーマライゼーションとはどんな理念?考え方や原理、介護への影響などを解説

次のコラムへ

言語聴覚士の仕事内容を詳しくご紹介!主な職場や1日の流れとは

著者プロフィール

ゲートウェイ

ゲートウェイ

異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

このコラムを見た人はこちらの求人を見ています

居宅介護支援事業所 ソラスト練馬でケアマネージャー主任ケアマネージャーの正社員の求人
居宅介護支援

居宅介護支援事業所 ソラスト練馬でケアマネージャー主任ケアマネージャーの正社員の求人

月給 297,000円 〜 297,000円
練馬 徒歩3
駅近40代以上活躍中年間休日120日以上

関連コラム

介護に必要なインテークとは?意味や面接の流れ・押さえておきたい心がまえをご紹介
介護に必要なインテークとは?意味や面接の流れ・押さえておきたい心がまえをご紹介
その他2023/08/04

キーワード・条件から求人を検索する

エリアを選ぶ
職種を選ぶ
希望条件を選ぶ
お仕事検索

ソラジョブについて

ソラジョブとは、株式会社ソラストが管理する求人サイトです。
ソラストは1965年、日本初の医療事務教育機関として創業し、通信教育を開始しました。現在では全国の病院やクリニックといった医療機関における医療事務の受託、介護施設・保育園等の運営、およびこれらの各分野で人材ビジネスサービスを展開しています。
またソラストは、従業員の9割が女性であることから「えるぼし(3つ星)」「くるみん」を、そしてダイバーシティポリシーに基づく取り組みの一部として「D&Iアワード<ベストワークプレイス>」「PRIDE指標<シルバー>」を取得しています。
誰もが働きやすい会社を目指し、女性の活躍推進、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでいます。
求人についてのお問い合わせはお電話でも受け付けております
  • ソラジョブ専門ダイヤル
    0120-297-527
    全国共通/携帯からでもOK!

    キャリアアドバイザーに求人番号・法人名をお伝えください。

  • お問い合わせ例
    • 「○○県〇〇市の介護施設の求人が気になるので、詳細情報を教えてください」
    • 「パート・アルバイトで働ける介護職の求人を〇〇市内で探しています。おすすめはありますか?」
    • 「持っている介護資格を活かせる求人を〇〇県内で探しているので、いくつか教えていただきたいです」