介護ロボットの種類を紹介!導入するメリットや現状の課題なども解説

ITやテクノロジーの面でどんどん技術が進化しているように見える現代社会。その流れは介護の現場でも例外ではありません。なかでも注目されているのが、介護ロボットの開発・導入。ここでは、介護ロボットについて、そしてその導入によって介護の現場をどう変わると予測されるか、解説していきます。

介護ロボットの定義

厚生労働省によって発表されている定義では、介護ロボットは次の3つの要素を持つとされています。

1. 情報を感知(センサー系)
2. 判断し(知能・制御系)
3. 動作する(駆動系)

上記の要素を満たした上で、要介護者の生活をサポートして、介護者の負担軽減に貢献している介護機器が、介護ロボットと呼ばれます。

どんな種類の介護ロボットがあるのか

介護ロボットにどんなものがあるか、3種類に分けて解説します。

・介護支援型
・自立支援型
・コミュニケーション/セキュリティ

介護支援型

移乗や入浴、排泄などの介護業務を支援するロボットです。無理な姿勢で作業したり、重いものを持ったりするといった、身体的に負担のかかる仕事のサポートをおこないます。

自立支援型

歩行や食事、リハビリや読書などをひとりでできるようサポートして、要介護者の自立を目指すロボットです。例えば要介護者の膝に装着して膝付近の負担を減らし、自立歩行や立ち座りの動作を支えるロボットなどがあります。

コミュニケーション/セキュリティ

コミュニケーションを図ったり、センサーによって様子を見守ったりするロボットです。認知症の方や一人暮らしの方の様子をチェックしてくれるので、徘徊予防、事故予防につながります。またコミュニケーション面では、おしゃべりをするだけでなく、音楽をかけたり、クイズを出したりなど、レクリエーションに使用できる機能が備わったものもあり、認知症予防や癒し効果にも活用されます。

介護ロボットが重点開発されている6つの分野

経済産業省と厚生労働省は、「ロボット技術の介護利用における重点分野」として、次の6つを挙げています。

・移乗介護
・移動支援
・排泄支援
・見守り支援
・入浴支援
・介護業務支援

移乗介護

要介護者をベッドから車いすへ移乗する際などに、介助をする際にかかる身体的負担を軽減する分野です。介護者が身に付ける装着型と、装着せずに使う非装着型のロボットがあります。

移動支援

要介護者の歩行や荷物運びを安全にできるようサポートする分野です。また、ベッドやいす、トイレ内での姿勢保持、立ち座りの動作支援などもおこないます。介護ロボットは屋外用と屋内用の機器に分けられ、要介護者に装着して使用するものもあります。

排泄支援

排泄を予測して適切なタイミングでトイレへ誘導をしたり、下着の着脱から排泄の一連の動作をサポートしたりする分野です。要介護者が居室内でも排泄できるよう、設置位置の調節が可能な、臭いが広がらない工夫がされたトイレとなるロボットなどもあります。

見守り支援

検知センサーや外部通信機能を備えた機器などがあり、365日24時間、要介護者を見守るロボット分野です。ロボットで見守り体制を強化することでよって、要介護者が自発的に助けを求めていない場合や、目視では様子が確認しづらい暗所でも状況の確認、救助がしやすくなります。介護施設と使用するもの、在宅介護で使用されるものに分けられます。

入浴支援

浴槽に出入りする際の、一連の動作を補助するロボット機器の分野です。入浴は体を清潔に保ち、尊厳を維持する大切な行為。この分野のロボットは、要介護者が入浴する際にかかる身体的負担を減らし、水場での転倒、脱水、沈溺などのリスクを抑えます。

介護業務支援

介護業務に伴う情報を集めるためのロボット機器の分野です。集めた情報は介護に必要な支援に活用されます。また、介護サービスの内容を共有して、他のロボット機器や介護記録システム、ケアプラン作成システムなどと連結できることが求められています。

介護ロボットを導入する3つのメリット

介護ロボットを導入するメリットを3つ紹介します。

・介護現場の作業効率化
・介護者の負担軽減
・要介護者のストレス軽減

介護現場の作業効率化

それまで人手が必要だった業務をロボットにまかせて、浮いた人手分の労力をその他の業務に回すことができれば、介護現場の作業効率化ができます。また、人だと場合によって集中力に波が出てしまいますが、ロボットは故障していなければ、24時間ずっと稼働できるものもあり、一定の効果を期待することができます。

介護者の負担軽減

要介護者の姿勢を支え続けたり、車いすやベッドに移乗したりするのは、体力が必要です。介護ロボットで腕力や体力の必要な介助活動ができると、介護職員は身体的負担を軽減することができます。

要介護者のストレス軽減

要介護者の中には、人に体を触れられることに拒否反応を示す方もいるため、介護ロボットを使用することで安心して介助を受けてもらえます。また、人から介助を受ける際などに、「恥ずかしい」「申し訳ない」と感じてしまう要介護者は多いです。しかし介助を受ける相手が介護ロボットなら、人間に対して感じるような負い目を感じず、遠慮しないで介護を受けられる方もいるでしょう。

介護ロボットを普及させるための現状の課題

介護ロボットの導入数は、徐々に増加しているといわれますが、まだ完全に普及しているとはいえません。介護ロボットが普及するために解決する必要があるとされる課題を3つ紹介します。

・コストが高い
・活用のしやすさ
・複雑な作業はまだできない

コストが高い

介護ロボットを導入するためには、機器の購入費用(レンタル費用)や維持費などが必要です。ご家庭や小さな施設などでは、コスト面で利用を断念しているところも多いでしょう。

活用のしやすさ

介護ロボットを導入しても、操作が難しかったり、慣れるまで時間がかかってしまったりすることがあります。また現在、介護ロボットには大型のものが多いので、利用する際に必要とするスペースの確保が難しい施設もあるでしょう。

複雑な作業はまだできない

現在の介護ロボットは、同じ作業でも人間より時間がかかったり、複雑な作業はまだできなかったりすることがあります。ロボットが単純な行動を繰り返すことはできても、複数の行動を組み合わせた作業、状況によって変わる対応の判断は、人間がした方が安全で速いことも多いです。

介護ロボットの開発・導入の背景

現在日本では介護ロボットの開発・普及の促進として、さまざまな支援策を実施しています。例えば、厚生労働省はこの動きを強化するため、平成30には「介護ロボット開発・普及推進室」を設置。経済産業省と国立研究開発法人日本医療研究開発機構は、高齢者の自立支援などに有用なロボット介護機器の開発に対して、補助金を出しています。

そして、そのように介護ロボットの開発が積極的に進められている背景として挙げられるのが、「高齢化社会への対応」と「自立支援」の必要性です。

高齢化社会への対応の必要性

高齢化が進む日本では、それに伴って介護をする人を増やしていくことが必要です。しかしながら、要介護者が増加していく高齢化に対応するためには、介護職員の負担を軽減し、働きやすい環境を整えること必要があります。そのために、介護ロボットによる介護作業の効率化が求められています。

自立支援の必要性

介護ロボットは、高齢者自身のしたいこと、してみたいことが「できる」をサポートする手段として有効だと考えられています。自立行動ができると、認知症の予防になり、好きなことができないストレス、人の手を借りる負い目などが軽減されます。介護ロボットによって要介護者にできる行動が増えることで、介護の負担、介護を受けるストレスを減らす効果が期待されています。

日本は介護ロボットの開発・導入に積極的!今後、介護職の負担軽減が期待される

介護を受ける人、そして介護をする人にとってもメリットがある介護ロボット。解決すべき課題もありますが、厚生労働省をはじめ国全体が開発や導入に積極的なことから、介護ロボットにできることはこれからもどんどん増えていくと考えられます。今後、介護ロボットが「介護は身体的・精神的に大変そう」というイメージを覆してくれるかもしれません。

介護業界への就職に興味がある方は、施設を見る際にどんな介護ロボットが導入されているのか、またはする予定なのかなども見てみると面白いかもしれませんね。

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