介護の主要な資格4選!介護福祉士などの取り方や難易度も解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/02/09
近年、介護職のニーズが高まっており、介護職への就職を考えている方も増えています。ここでは介護の主要な資格を4つについて、未経験でも取れるのか、難易度、費用、取得期間など解説致します。資格の特性や難易度を知って、自分の目的にあった介護資格を獲得しましょう!
目次
主要な介護資格4選の特長!それぞれの難易度や取得期間とは?
介護職 とはどのようなもの?
介護職は大きく分ける次の2つに分けられます。
「生活援助」 … 掃除・洗濯、料理などの日常生活のサポート
「身体介護」 … 食事・排泄、入浴など、身体に触れて日常生活を支援する
特に「身体介護」をするためには、必ず介護の資格を取る必要があります。
介護職に必要な4種類の資格
介護職には以下4つの資格があります。
実務経験 | 取得までの期間 | 難易度 | |
---|---|---|---|
介護職員初任者研修 | 必要なし | 約1~4ヶ月 | 入門向け |
介護福祉士実務者研修 | 必要なし | 約6ヶ月 | 優しい |
介護福祉士 | 必須 | 約1年~3年 | 難しい |
ケアマネージャー | 必須 | 約5年 | 難しい |
それぞれの資格にどのような違いがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修は、介護職の入門資格です。
『在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修』(厚生労働省より)であり、この資格を取ることで、基本知識を持っている証明になります。介護職員初任者研修では、介護において大切にすべき理念、コミュニケーションの取り方や、介助などの実技実習など、介護の基礎を学びます。
現在は廃止されているホームヘルパー2級相当する資格です。介護職を目指す方のほとんどがまずはこの資格を取ります。
介護職員初任者研修を取るメリット
介護初任者研修の資格を取得するのには、次の4つのメリットがあります。
・介護の資格のなかで取得までの敷居が最も低い
・介護関係が未経験でも採用されやすく、給与面で優遇されることが多くなる
・「介護実務者研修」を取得する時に、受講時間が130時間免除される
・家族の介護にも役立つ
介護職員初任者研修の取り方
介護職員初任者研修は、9科目(130時間)のカリキュラムを修了して、筆記試験に合格すると資格を取得することができます。学校への通学と一部のカリキュラム(最大40.5時間分) の自宅学習を併用して学習します。
カリキュラム内容もあらかじめき決められているため、時間数・項目はどの学校も同じです。土日通学・夜間など受講プランも多様なため、仕事をしている場合も取得を目指しやすいです。自分にあったプランを選びましょう。
介護職員初任者研修の受験資格
特に必要ありません。実務経験も必要なく、誰でも挑戦できる資格です。
介護職員初任者研修の取得までにかかる期間
最短で1ヶ月ほど、長くても4ヶ月ほどで取得できる資格です。長期の学習が難しい・早く資格を取りたい人に向いています。
介護職員初任者研修受講にかかる費用
介護職員初任者研修の受講料は地域や行く学校で変わりますが、3~15万円内の受講料が多いです。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修よりも、さらに専門的な知識を習得することができます。様々な利用者に対する基本的な介護提供能力の修得に加え、医療的ケアに関する知識および技能の習得も可能です。
また「介護福祉士」の資格取得にも必要な資格であるため、介護のプロを目指す人は取るべき資格です。
介護福祉士実務者研修を取るメリット
介護福祉実務者研修を取得することには、4つのメリットがあります。
・介護福祉士の受験資格が得られる
・サービス提供責任者として活躍できる
・医療行為である「たん吸引」「経管栄養」を学ぶことができる
・専門性がより高まり、現場での仕事の幅が増えることで重宝される
介護福祉士実務者研修の取り方
カリキュラムは20科目(450時間)。通信講座や学校への通学で学習します。ただし、通信講座を選んだ場合でも、「医療的ケア(演習)」「介護課程Ⅲ」は通学での受講が必須 となります。修了試験(筆記試験)はなく、講座の受講のみで修了します。(学校によっては修了試験があることもあります。)
すでに取得している介護資格によって、受講時間が免除されます。以下、取得資格ごとの免除時間数です。
・介護職員初任者研修 … 130時間免除
・ホームヘルパー1級 … 355時間免除
・ホームヘルパー2級 … 130時間免除
・ホームヘルパー3級 … 30時間免除
・介護職員基礎研修 … 400時間 免除
※ホームヘルパーは訪問介護員研修と同義
介護福祉士実務者研修の受験資格
特にありません。基本的には介護職初任者研修がなくても受講可能です。しかし学校によっては、介護者初任者研修の資格取得が受講条件の場合もあるので、確認が必要です。
未資格・未経験でも、受講することが可能な資格です。
取得までにかかる期間
介護福祉士実務者研修は、無資格の場合は約6ヶ月かかります。しかしすでに取得している資格によっては、学習時間が減るため期間が短縮されます。
介護福祉士実務者研修の受講にかかる費用
介護福祉士実務者研修は、受講する講座はもちろん、取得している資格の有無で受講料が変わります。
・無資格 … 10~20万ほど
・初任者研修/ヘルパー2級資格あり … 6~10万円ほど
介護福祉士
介護福祉士は社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ「福祉の三大国家資格」であり、介護業界唯一の国家資格です。
利用者の身体介護や生活支援はもちろん、利用者・その家族への介護に関する相談・アドバイスなどにも応じます。また介護スタッフへの指導やサービスが適切に提供されるよう運営する、介護現場のリーダーのような存在です。
介護職のキャリアパス最上位にあたる資格のため、取得難易度はやや高めとなっています。
介護福祉士を取るメリット
介護福祉士の資格を取得することには、5つのメリットがあります。
・介護職では唯一の国家資格で、社会的信用度が高い
・介護のプロフェッショナルであるスキルの証明になる
・給与アップなど待遇面がよくなる
・仕事領域の幅が広がり、就転職、結婚・出産・育児後でも有利に役立てることができる
・ケアマネージャーへのステップアップがねらえる
介護福祉士の取り方
介護福祉士は、国家試験に合格して国家資格の取得が必要となります。介護福祉士資格には受験条件があり、次の項で詳しく説明します。
介護福祉士の受験資格
介護福祉士の国家資格を受験するには、下記A・B・Cのいずれかの条件を満たしている必要があります。
A. [実務ルート]
次の2つの条件を満たす必要があります。
・対象となる事業(施設)および職種に従業期間3年(1095日)以上、実際に業務に従事した日数が540日以上就労している
・介護福祉士実務者研修の受講を修了している
B.[養成施設ルート]
指定の介護福祉士養成施設を卒業する。
普通科高校出身の場合は2年以上、福祉系大学・社会福祉養成施設・保育士養成施設のいずれかを卒業の場合は1年以上、施設に通うことで受験資格を得られる。
C. [福祉高校ルート]
福祉系高校、または福祉系特例高等学校を卒業した人。入学時期により受験資格が異なります。
介護福祉士の取得までにかかる期間
介護福祉士の取得までにかかる時間は、上記ルートにもよりますが、1年~3年ほど必要です。
介護福祉士の受験料
介護福祉士の資格試験の受験料は、15,300円です。
介護福祉士の資格は、資格取得後に介護福祉士としての、登録申請が必要です。合格後すぐに働けるわけではなくなるので、注意しましょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャーは、現場職から離れ、介護現場を総合的にマネジメントする立場になります。
ケアマネージャーは、介護をするのではなく、利用者に合わせた「ケアプラン」の作成、利用者からのクレーム等を事業者側に伝える調整役も担います。全体を通して利用者が必要なサービスを受けられるよう、マネジメントを行うことが、ケアマネージャーの役割です。
ケアマネージャーは介護職の1つの到達点であり、介護サービスに精通していることが求められる専門性の高い資格です。
ケアマネージャー(介護支援専門員)のメリット
ケアマネージャーの資格を取得することには、5つのメリットがあります。
・給与アップが望める
・施設だけでなく、自宅での仕事も可能
・勤務時間を融通しやすい
・デスクワークがメインなので、現場で働くのが困難な人でも、介護職ができる
・行政機関・地域包括支援センターなど、活躍の場が多い
ケアマネージャー(介護支援専門員)の取り方
資格取得には、年1回実施されている「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格
・下記のいずれか一つを満たしている必要がある
A. 特定の国家資格(介護福祉士、医師、栄養士など)を保有し、国家資格に基づく実務経験への従事期間が通算5年以上かつ、従事日数が900日以上ある
B. 生活相談員、相談支援専門員、支援相談員、主任相談支援員として、対人援助業務への従事期間が通算5年以上かつ、従事日数が900日以上ある
ケアマネージャー(介護支援専門員)の取得までにかかる期間
受験資格を得るために5年以上の実務経験が必要なため、最短でも取得までに5年かかります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の受験料
受験料は受験する都道府県ごとで異なりますが、7000~9000円となります。
介護の資格は未経験でも取得可能!レベルに合わせてキャリアアップを目指そう
介護職をする上で役に立つ資格を厳選して4つ紹介しました。介護の資格には実務未経験でも取得可能なものもあり、介護職を始めてみたい方にも取得しやすいです。資格を取ること知識も深まり、就職の際にも有利にもなります。
また介護福祉士・ケアマネージャーといった、1つ上の資格を目指すことで仕事の質の向上、キャリアアップにつながります。
介護職を始めてみたい、キャリアアップをしたい方は取得を目指しましょう。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。