介護相談員とは?なるには資格が必要?その仕事内容も解説!

介護相談員は、行政と介護を受けている人や介護事業者の橋渡しを行う職業として、近年注目を集めています。しかし、介護相談員について知りたいけど、情報が少ないと感じる人も少なくないのではないでしょうか。そこで本記事では、介護相談員の職務内容から、メリットまで詳しく解説いたします。

介護相談員とは?

介護相談員とは、文字通り、介護にまつわる相談を行い、介護環境や介護サービスの質を向上させるために尽力する人です。詳しい業務内容は後述しますが、数百以上の市町村でおよそ12,000箇所(2019年12月現在)の介護事業者が介護相談員を受け入れています。特に関西地方や四国で多く介護相談員の受け入れが行われていますが、地域差が大きく、全国的に見ると、まだ成長過程にある事業とも言えるでしょう。

介護相談員になるには?資格や研修は必要?

介護相談員になるためには、特別な資格は必要ありませんが、自治体で研修を受ける必要があります。研修に必要な期間は合計40時間と定められており、内訳は以下の通りです。

・4日間の前期研修
・自治体での実地研修
・1日の実践研修

研修では、介護相談員の役割や、介護にまつわる知識や諸制度を学びます。介護相談員は実際に介護・介助を行うことはありませんが、コミュニケーションをとるうえで、専門知識が必要不可欠です。介護相談員は、あらゆる人の意見を聞くこと、客観的な視点を持つこと、そして話には出ないような小さな点にまで気が付くスキルが要求されます。

また、介護相談員として登録されるためには「一定水準以上の研修を受けた者であって、 事業活動の実施にふさわしい人格と熱意を有する者」という、自治体による認定基準があります。事前研修が完了次第、自治体や団体から認定書が贈られるという流れです。

介護サービスを利用している人の意見や、現場で働いている人、また行政側の考えを含め、総合的に考慮しなければならないので、多くの知識が必要なのです。介護の現場やルールは頻繁に変容するため、介護相談員になった後でも、定期的に現任研修を受けましょう。

介護相談員の仕事内容、流れ

介護相談員の詳しい仕事内容としては以下の通りです。

・介護サービス利用者から相談を受ける
(定期的に訪問することも説明)
・市町村、サービス事業者へ報告、提案
・介護サービス利用者へ説明
・介護サービス利用者へ連絡先を周知

このように、介護相談員には介護の現場と行政をつなぐ重要な役割があります。他にも、自治体が介護サービスに関与しなければいけない時にはその対策をとり、定期的に介護施設へ訪問することも大切な仕事です。

介護を受けている高齢者の方は、認知症が進んでいたりして、自分の意見を口にすることが困難なケースもあります。近年問題となっている被介護者への虐待などを発生させないためには、現場の細かい部分まで観察して、声にならない意見も察して、拾わなければなりません。

一見すると、介護施設の職員が主に行うべき業務では?と感じますが、現場の職員が行政へ意見すると、不利益や不平等が生まれることも考えられます。その事態を避けるために、介護相談員は存在しているのです。介護相談員はヒアリングで知った情報を漏らさないための守秘義務があり、意見を言った人のプライバシーは守られます。

2003年に厚生労働省が介護相談員の派遣を各自治体に推奨したところ、制度について好意的な意見が多く寄せられました。もちろん大きなトラブル以外にも、単なる伝達不足や誤解による問題が起こることもあります。それらの問題を第三者として冷静に対処することも仕事の1つです。

介護相談員が判断してできること

介護相談員が自ら判断して行えることは、自治体への相談や報告、サービス利用者やその家族との相談、病院や医療機関との連絡など、窓口としての業務が中心です。また、事前に受ける研修では、認知症への理解を深める項目があり、世間話などをしながら施設の対応が適切か判断する目が養われます。

介護相談員は行政と介護サービス事業者だけでなく、被介護者と介護サービス事業者をつなげる役割もあるのです。介護相談員が仲介することにより、何らかの問題があっても、忌憚のない意見が言える環境につながります。

介護施設や事業所への訪問は1~2週間に1度の頻度で行われ、そこでなんらかの意見が出たら、意見をとりまとめ必要な対処をとります。相談者の情報を自治体に提供する場合は、あらかじめ相談者の同意を得なければいけないので慎重に行いましょう。将来的には、介護サービス事業者が周辺地域に住んでいる人たちに対し、認知症についての理解を深めてもらったり、地域的な介護ケアに携わってもらったりすることが望ましいです。

介護相談員がやってはいけないこと

介護相談員にはやってはいけない行動が定められています。代表的なものを挙げると以下の通りです。

・介護にあたる行為(車いすを押す・食事の介助など)
・介護サービス事業者への評価
・介護サービス利用者同士でトラブルが起きた時の仲裁
・介護サービスでの物品の修理
・遺言などの相談を受けること
・介護サービス利用者の家族問題への介入

介護相談員はあくまでも介護の現場と行政をつなぐのが仕事ですので、上記の行動をとってはいけません。介護サービスの現場の質を上げるため、あくまで補助的な役割で、公平性を保つことが大切なため、特定の施設や個人に深く関わるような行為は禁止されています。

もしも介護相談員として訪問した先で、上記の行動をさせられそうになったら、きちんと断りましょう。また、介護サービス利用者から話を聞くのも大切な業務ですが、遺言や家族問題など、個人的な範囲の相談は管轄外ですので受けないようにしてください。

介護相談員になるメリット

介護相談員は現場のリアルな意見を交換するために大切な役割を持ちますが、以下のようなメリットもあります。

・人の役に立つ「やりがい」を得られる
・体力的な負担が少ない
・介護サービス利用者の気持ちが分かるようになる

介護はともすれば現場だけの「閉じた空間」になりやすい傾向があります。それを防ぎ、風通しをよくするのが、介護相談員の存在意義と言えるでしょう。実際に介護相談員の訪問を受け付けている事業職員や利用者からは、「意見を言いやすくなった」「細かいケアができるようになった」などのポジティブな意見も多く見られています。

また、介護サービス事業者とは異なり、直接介護を行うわけではありませんので、体力的な負担も少なく、性別や年齢に関係なく続けやすい仕事でもあります。また、介護をされる側の本音を知ることができるのは、その業界で働くうえで常にプラスに働くことでしょう。

介護相談員は、介護サービス事業者と利用者を円満につなぐ仕事!

介護相談員は自治体・介護サービス事業者・介護サービス利用者から、話を聞いて問題をできるだけ円満に解決するのが仕事です。資格は不要で、研修を受けて認定されれば、誰でも介護相談員になれます。様々な人の役に立ち、長年続けやすい仕事なので、介護業界に興味がある人は、まず研修を受けることをおすすめします。今後も、業務内容が拡大し、需要の拡大が見込まれる職業なので、まずは希望の自治体にご相談してみてはいかがでしょうか。

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