デイサービスの看護師の役割や仕事内容とは?求人に応募する際の志望動機の例文も
著者: ゲートウェイ
更新日:2024/03/21
公開日:2021/04/16
看護師は医療機関以外にも、デイサービスのような介護現場で働く選択肢もあります。利用者さんが健康で快適に過ごせるようにサポートするデイサービスにおいて、医療処置が施せる看護師は欠かせない存在です。今回はデイサービスで働く看護師の仕事内容や役割、向いている方の特徴などを詳しく解説します。
デイサービスにおける看護師の役割
【デイサービス勤務の看護師が担う役割】
・利用者さんの健康状態の確認
・状況に応じた医療行為の提供
デイサービスにおける看護師の役割は、利用者さんの健康状態を確認することです。また、デイサービスは医師が駐在していない施設であるため、利用者さんの健康状態を医療の観点から医療行為をほどこせます。業務のなかには看護師にしか対応できないものもあるため、デイサービスには欠かせない存在といえるでしょう。
デイサービス勤務の看護師の仕事内容
デイサービスには看護師のほか、介護職員を中心にさまざまな職種の方が働いています。しかし、医療行為をほどこせるのは看護師だけであり、インスリン注射や爪切りのような医療処置は看護師が対応します。また、血圧など基礎疾患がある方のバイタルチェックは重要な仕事です。利用者さんの体調異変などの緊急時の一次対応は看護師が行います。
以下は具体的なデイサービスにおける看護師の主な仕事内容です。
・利用者さんのバイタルチェック
・服薬管理
・軟膏塗りや点眼、爪切りや怪我の処置
・体調が悪い方の対応
・インスリン注射
・入浴介助
・介護士のサポート
また、デイサービスの利用者さんは高齢者であるため、小さな異変が大事に至る可能性もあります。そのため、看護師には小さな変化も見逃さない洞察力も求められるでしょう。
デイサービスは病院とは異なり生活をサポートするための場であるため、全員に疾患があるとは限りません。そのため、病院で働く看護師とは役割や働き方が異なります。
病院勤務の看護師との違い
同じ看護師でも、病院勤務の看護師とは役割や働き方が異なる点もあります。主に病院とデイサービスの役割の違いに着目するとわかりやすいでしょう。
病院は病気など疾患のある方の治癒を目的としている場であるため、看護師も患者さんの復帰のために医療行為に励みます。また、患者さんは高齢の方だけでなく、幅広い年齢層の方がいます。
一方、デイサービスの利用者さんは高齢の方のみです。デイサービスは、利用者さんが自立した日常生活を送るためのサポートや、社会的孤立感の解消などを目的とした場です。そのため、看護師は医療面のサポートのほか、生活介助やコミュニケーションなど、より生活に寄り添った役割が重視されます。
デイサービスで働く看護師の1日のスケジュール例
デイサービスは基本的に日中のみ稼働する施設であるため、病院勤務の看護師とは1日のスケジュールがかなり異なります。以下はデイサービスで働く看護師の1日のスケジュール例です。
08:00 | 出勤 | 出勤してから、当日の準備や血圧計などが正常に動くかを確認 |
---|---|---|
08:30 | 利用者さんのお出迎え | 利用者さんの様子をうかがいながら、お出迎えをする |
09:00 | バイタルチェック | 健康状態をチェックして、前日との変化を確認する |
09:30 | リハビリ、入浴 | リハビリの必要な方の付き添いやその後の入浴介助を行う |
10:30 | 入浴後の処置、ストレッチ | 湿布の貼付や軟膏の処置などを実施。入浴後もバイタルチェックにより血圧が正常かを確認する |
11:00 | レクリエーション | サポートに入りつつ、健康状態を確認する |
12:00 | 昼食 | 食事介助や、食前・後の服薬対応、血糖測定などを実施 |
13:00 | 休憩 | 午前の業務が終わり、休憩に入る |
14:00 | 業務記録の作成 | バイタルサインや午前の健康状態、食事摂取量や排泄回数などの記録 |
15:00 | レクリエーションやリハビリ、おやつ | 利用者さんの様子を見守りつつ、リハビリの効果測定などを実施おやつの時間には介助も行う |
16:00 | 利用者さんのお見送り | 健康状態を再度確認しつつ、お見送りする |
17:00 | 業務終了 | 片付けや翌日の準備、終礼による状況共有後、帰宅 |
デイサービスで働く看護師の給料について
厚生労働省が発表している「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、デイサービスで働く看護師の給与は以下の通りです。
常勤看護師 | 非常勤看護師 |
---|---|
375,327円 | 339,893円 |
給与は、看護師としての経験年数や介護経験の有無によって異なり、常勤の地域密着型が約35万円、認知症対応型では約39万円とサービス内容によっても多少給料が変動します。また、デイサービスでは医療行為への対応が求められる立場のため、給与水準が他の職種に比べて高い傾向です。前回(令和2年度)行われた実態調査と比較すると、サービス内容によるものの、ほとんどが月額2万円~4万円程度高くなっています。
デイサービスで看護師として働くメリット・デメリット
看護師がデイサービスで働く際に、知っておきたいメリット、デメリットについてご紹介します。
メリット
・残業や夜勤がない
・高度な医療行為や緊急を要する対応がほとんどない
・利用者さんとゆったり向き合った関わりができる
看護師の仕事は、勤務先によっては24時間対応となることが多く、時間が不規則になりやすいです。しかし、デイサービスでは時間外の勤務や土日祝日の出勤がないため、規則的な勤務形態となり、ワークライフバランスが保ちやすいでしょう。
また、症状が急変しやすいなど重篤な利用者さんはほとんどいないので、緊急性の高い対応をする機会が少なく、病院勤務より精神的に安定できる点もメリットです。利用者さんと一緒にレクリエーションを行うなど、楽しみながらコミュニケーションを築けます。
デメリット
・医療技術のスキルアップは難しい
・送迎を任されることもある
・求人数が少ない
重篤な利用者さんが少ないデイサービスでは、高度な医療行為はしないため、医療技術を高めたい人には物足りなさを感じることもあるかもしれません。また、募集要項に送迎の有無が書いてない場合でも、実際働いてみると送迎を任されるケースもあります。看護師の業務とは直接関係ないこともしなくてはならず、疑問や不満を感じる人もいるかもしれません。
加えて、デイサービスでは看護師の配置基準が1名とされており、求人数がそもそも少ない傾向にあります。デイサービスの求人を探す人にとっては、デメリットに感じるでしょう。
【適性チェック】あなたはデイサービスの看護師に向いている?
同じ看護師の仕事であっても、デイサービスでは仕事内容も異なります。自分に合う仕事かどうか、以下のチェックポイントから確認してみましょう。
【チェックポイント】
☑介護に興味がある
☑高齢者との関わりを楽しいと感じられる
☑雇用形態はとくにこだわらない
いくつチェックが付いたでしょうか?すべてにチェックが付かなければ適性がまったくないというわけではありません。しかし、デイサービスの看護師として働くためには大事なポイントです。以下で、チェックポイントの解説をしていきます。
【チェック1】介護に興味がある
デイサービスは病気や怪我の治療ではなく、生活のサポートを目的とした場であるため、看護師でも介護に触れる時間が多くなります。そのため、介護に興味がある方や将来的に介護分野でケアマネージャーの資格取得を視野に入れている方は、デイサービスに向いています。
看護師というだけでもデイサービスでは重宝される存在ですが、介護に興味があればなおのこと理想的です。
【チェック2】高齢者との関わりを楽しいと感じられる
デイサービスの利用者さんは、全員高齢の方です。デイサービスでは医療業務が少ないので、高齢者とじっくり関われます。そのため、高齢者との関わりや、コミュニケーションを楽しいと感じられる方はデイサービスに向いているでしょう。
もともと、おじいちゃん、おばあちゃん子だったなど、高齢者と話すことに慣れていたり、一緒にいることが習慣づいていたりする方にはぴったりの仕事ともいえます。
【チェック3】雇用形態はとくにこだわらない
デイサービスでは、看護師といってもアルバイトやパートの求人が多い傾向にあります。基本的に日勤で残業も少ないため、ワークライフバランスを保ちやすいのが魅力的である一方、正社員にこだわると求人が少なく、見つけづらいでしょう。
正社員だけでなくアルバイトやパート、派遣社員など雇用形態にこだわらず、幅広く探すことをおすすめします。
【例文付】看護師がデイサービスに応募する際の志望動機の書き方
デイサービスの看護師配置は基本1名です。そのため、採用のハードルは高いといえるでしょう。
採用になるためにも、志望動機はとくに重要です。ここでは、例文とあわせて志望動機の書き方のポイントをお伝えします。
▼例文
①現在は一般病棟に勤めています。医療現場の最前線で患者さまに携わる一方で、もっと生活に密着した現場で看護師として活躍したいと思い、デイサービスでの看護師を志望しています。
②このように感じたきっかけは、祖母がデイサービスを利用していたことも大きく影響しています。祖母はインスリン注射が必要であるため、デイサービスにおける看護師さんの存在は欠かせません。デイサービスに通っていることで祖母は心身ともに健康で、寄り添ってくれる看護師さんの存在にはいつも感謝しています。
③私も利用者さんとの信頼関係を築きながら、心身ともに生活をサポートできる看護師として介護分野で活躍していきたく思い、今回志望いたしました。
【書き出し】デイサービスの看護師を志望している理由
なぜ病院ではなく、デイサービスの看護師を志望しているかを冒頭で述べられています。デイサービスの看護師が病院の看護師よりも、相手の生活に密着しているという特徴を踏まえられている点も高ポイントです。
理由を明確に述べられていないと、病院勤務に問題があったのかなど、意図せずともネガティブな印象を持たれてしまう可能性も考えられます。
【根拠】具体例で根拠を説明
デイサービスの看護師を目指したきっかけが具体的に述べられていることで、志望している理由の明確性がアップします。実体験を踏まえることで説明がしやすいだけでなく、相手にも伝わりやすくなります。
看護師は活躍できる場所が多いため、なぜその職場を選んだのかは採用担当者も気になるポイントです。そのため具体例を組み込んで、志望している理由の裏付けをしましょう。
【結論】目指す看護師像
目指す看護師像を述べられていることで、デイサービスで働く看護師の役割を理解できているだけでなく、熱意も伝わる結論となっています。
結論では将来性や採用後のイメージが採用担当者に伝わるような内容を入れ込むことがポイントです。また介護分野の知識やスキルを勉強している旨も伝えられると、長期的に働きたい姿勢を感じさせます。ぜひアピールしてみましょう。
デイサービスで看護師として働いてみましょう
デイサービスでの看護師の役割や、仕事内容、1日のスケジュールなどについてご紹介しました。看護師といっても、勤務先によって仕事内容は異なります。給料はサービス内容によっても異なることを知っておきましょう。デイサービスで看護師として働くメリット、デメリットや、デイサービスの看護師に向いているかどうかの適性チェックもご紹介しましたので、自分に合うかどうか確認してみてください。
ソラジョブでは、デイサービスの看護師求人を探すことができます。地域や雇用形態など、細かく絞り込んで探せますので、デイサービスへの転職を考えている方は、ぜひソラジョブで検索してみてください。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。