看護師とはどんな職?定義や役割、将来性についてご紹介

医療機関で活躍する看護師は年々需要も高まっているため、これから看護師を目指す方も多いのではないでしょうか。需要の高さだけでなく、人の命に関わる職であることからとてもやりがいのある職です。今回は看護師についてその定義や仕事内容、看護師になる手順などの基本情報を詳しく紹介します。

そもそも看護師とは?定義や役割について

看護師は医療機関で医師のサポートや患者さまのお世話をする役割です。保健師助産師看護師法の第5条では、下記のように定義されています。

定義

「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者をいう。

 

国家資格を必要とする看護師は、厚生労働大臣の免許を受けることが前提です。傷病者だけでなく、出産後間もなくの女性(じよく婦)の世話も看護師の担当となります。また医師の診療補助にあたり、医師の右腕となって医療に関わる重要なポジションです。

「看護師」と「看護士」の言葉の違い

看護師は男女問わず使用するのに対し、看護士は男性に向けて使う言葉です。過去には女性を看護婦、男性を看護士と呼んでいたのですが、保健師助産師看護師法が始まり現在では看護師に統一されています。

基本データ

では看護師の基本データを確認していきましょう。

看護師は女性のイメージが強いですが、年々男性も積極的に採用している傾向にあります。2018年のデータでは全国の就業数121万8,606人に対して、男女比は1:9です。

男性の割合はまだまだ少ないものの、過去10年間でみると倍増しています。今後はさらに男性看護師の活躍の場も広がるでしょう。

気になる給料面ですが、令和元年賃金構造基本統計調査によると看護師の平均年収は約483万円です (※所得税、社会保険料控除前の額)。以下は男女別でみた平均年収とその内訳です。

男性(平均年齢36.0歳) 女性(平均年齢39.9歳)
平均年収 496万800円 481万3600円
平均月収 34万3700円 33万3300円
平均賞与 83万6400円 81万4000円

勤務先の規模や家族手当などの関係で、男性看護師給与額のほうがやや高くなっています。また年齢によっても平均年収や月収、賞与には差があります。

そして以下は、最新を2018年度とした過去6年間の離職率です。

最新から過去6年間で大きな差はないものの、離職率は他の業種と比較して高い傾向にあります。看護師は体力仕事であることに加え、精神的にも大変な仕事であるからです。しかしそれでも大きなやりがいがあり、需要がなくなることのない職です。離職率は高いですが、それだけ目指す方も多いといえます。

准看護師との違い

看護師と類似したポジションに「准看護師」があります。看護師と准看護師は以下2つの点で大きく異なります。

看護士 准看護師
資格 国家資格
厚生労働大臣の認定
都道府県の免許
都道府県知事の認定
業務 自らの判断で業務を行う 医師や看護師の指示の下のみ業務を行う

看護師の仕事内容や役割

看護師は医師、そして患者さまの身近な存在として医療に携わります。その役割は多岐にわたり、仕事内容によって求められることが異なります。ここでは大きく4つの仕事内容から、看護師の役割について紹介します。

診療補助

診療の補助として患者さまの血圧や体温、脈拍測定といったバイタルチェックや点滴・注射・採血、カルテの記入直接の医療行為から事務的なことまで幅広く対応します。病院によって求められる仕事内容には幅があるため、看護師側も幅広いスキルを培う必要があります。

大規模な総合病院や大学病院では、配属される診療科によっても担当する医療行為はさまざまです。

患者さまのお世話

有床の病院では、入院患者さまのお世話も看護師の仕事です。患者さまの日々のコンディションチェックだけでなく、食事・入浴・排せつの介助なども行います。入院患者さまが療養に集中するためにも、身の回りのお世話は重要な仕事の1つです。

また患者さまやご家族とのコミュニケーションやケアも欠かせません。身体面だけでなく、精神面のケアも重要な役割です。

准看護師や看護助手への指示だし

准看護師や看護助手は、看護師の指示のもと働くポジションです。そのため看護師は全体の状況を常に確認し、迅速かつ的確な指示出しをする必要があります。いつ患者さまの容態が変わるかわからない病院において、全体の状況を把握して指示を出す看護師は非常に重要な役割です。

手術室の補助

手術室においては医師が手術に集中し、迅速に進められるように機材や機器を適切なタイミングで手渡します。さらに照明や温度調節、記録など手術室の細かい仕事もこなしていきます。複合的に幅広く対応するには経験を重ねていくことが大切です。

看護師の働く場所

看護師の働く場所も多岐にわたり、その領域は医療機関だけではありません。医療機関でも病院の規模や、診療科によって仕事内容は変わります

内科/外科小児科/耳鼻咽頭科/皮膚科/産婦人科/眼科/泌尿器科/放射線科/救急科、救命救急センター/リハビリテーション科/精神科、心療内科/クリニック・診療所など

その他の就業場所

医療機関だけでも10以上の場所で看護師が働いています。また医療機関外では、以下のような場所でも活躍できます。

高齢者向け施設(デイサービス、老人ホームなど)/訪問介護ステーション/障害者福祉施設/保育園、幼稚園/企業:産業看護師/テーマパークや商業施設などの救護室/献血ルーム、検診センター/美容クリニックなど

このように看護師が働く場は、医療機関以外にもさまざまです。目指すキャリアやスキルに応じて、働く場所の選択肢も豊富であるといえます。

看護師になる手順

看護になる手順として最も重要なのは、国家資格を取得することです。新卒から看護師を目指す場合は看護の専門学校か短期大学、または4年制の大学に進学します。

一方未経験から転職して看護師を目指す場合、国家資格を取得する必要があります。例えば専門学校で学ぶ、もしくはそれ以外の方法としては、まず准看護師の免許を取得する方法があります。そのうえで7年(中学校卒業であれば3年)以上の実務経験を積み、看護師学校養成所2年課程(定時制であれば3年)に進学する必要があります。

そのため既卒から看護師を目指すのであれば「集中的に学業に専念し国家試験合格を目指す」、「まずは准看護師を目指す」かのどちらかの選択になるでしょう。

国家試験概要

看護師国家試験は、毎年2月に実施されます。国家資格と聞くと難易度が高いイメージがありますが、問われるのは看護師として必要最低限の基礎知識です。業務の幅が広いため必要な知識量はかなりのものですが、適切な対策をすれば合格の可能性は高まるでしょう。実際に合格率はどの年も平均して90%ほどです。

出題数は全240問となり、以下は各出題におるボーダーラインです。

雇用形態 設問数 配点/問 ボーダーライン
必修問題 50問 1点 正解率80%以上
一般問題 130問 1点 年によって変動
近年は正解率65~70%の傾向
状況設定問題 60問 2点

看護師の将来性について

おもに医療や福祉の場で活躍する看護師は、将来性に期待できる職種です。特に今後の高齢化社会においては、一層需要が高まるでしょう。ここでは看護師の2つのキャリアプランについてお伝えします。

看護師のキャリアプラン

「認定看護師」と「専門看護師」は看護師としてキャリアアップするために、目指す方が多い資格です。これらの資格は看護職のスペシャリストであり、大規模な病院などで活躍の場が広げられます。また病院によっては、昇格・昇給・手当の面で優遇されます。

認定看護師

認定看護師は、看護現場におけるスペシャリストです。ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識があることが認められ、水準の高い看護が提供できます。
患者さまやご家族に寄り添って、最前線で看護技術を提供していきたい場合には認定看護師がおすすめです。

認定看護師になるためには5年以上の実務研修、そして認定看護師教育機関で6ヶ月学ぶことが必須となります。

専門看護師

専門看護師は技術力と知識力だけでなく、指導・教育・研究の分野でも活躍する看護分野全体のスペシャリストです。そのため看護師としてより専門性を深め、看護分野発展や質の向上に貢献したい方におすすめ。
専門看護師になるためには看護系大学院修士課程の修了と5年以上の実務研修、その後試験による認定審査があります。

認定取得にはお金と時間がかかるため、早いうちからビジョンを持って臨むことが大切です。

仕事内容やキャリアプランを理解して看護師を目指そう

看護師はいつの時代においても重要な役割を担う存在であり、これから先も欠かせない職種です。また活躍の幅も広く、資格さえあればキャリアプランの選択肢も豊富です。国家資格取得の道のりは大変ですが、その先にはやりがいと安定したキャリアがあります。ぜひこの仕事への理解を深め、看護師を目指してみてはいかがでしょうか。

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